変態ディスコ音源を豊富に抱えるIslandレコード(ZEレコードの音源も所有)を傘下にするユニバーサル・ミュージック(タトゥーで知名度アップ)からも80年代ダブ・ディスコ集としてシリーズものとしてリリースされています。『Dream White Island』(2003年)では、変態ディスコ史を語る上での重要人物、スティーヴン・スタンリーと後述するラリー・レヴァンが絡んだマイナーなIsland音源が堪能できます。
お馴染みのところでは、スティーヴン・スタンリーがプロデュースしたTom Tom Clubのファースト・アルバム『Tom Tom Club』(1981年)に収録されている「おしゃべり魔女(Wordy Rappinghood)」。当時、母体となったTalking Headsよりラップディスコのさきがけとして盛り上がった記憶があり、大阪みなみには「Tom Tom Club」というカフェバーがありました。
01. Gwen Guthrie: It Should Have Been You
02. Was (Not Was): Tell Me That I'm Dreaming
03. The Earons: Land Of Hunger
04. Tom Tom Club: Wordy Rappinghood
05. NYC Peech Boys: Come On, Come On (Don't Say Maybe)
06. Will Powers: Adventures In Success (Dub Copy)
07. Art Of Noise: Moments In Love
08. Wally Badarou: Chief Inspector (Hill Street)
09. Grace Jones: Nipple To The Bottle
10. Loose Joint: Tell You (Today)
先ほどのが白盤だとすれば、こちらは緑盤の『Dream Green Island』(2003年)。色の意味はちょっと不明ですが。当時の「Black Is Beautiful」的アイコンであったジャマイカ出身のモデル、グレース・ジョーンズやダブ・パンク泥まみれお姐さんのThe Slitsなどを収録。
グレース・ジョーンズそしてTom Tom Clubもそうですが、この辺りのサウンドは当時Islandが理想のスタジオとして設立したバハマはナッソーのコンパスポイント・スタジオでの録音が多いです。グレース・ジョーンズは、コンパスポイントでの音源を中心にコンパイルした『Private Life: The Compass Point Sessions 』(1998年)をリリースしています。加藤和彦の『パパ・ヘミングウェイ』(1979年)やIslandと契約したプラスチックスの『Welcome Back Plastics』(1981年)もコンパスポイントで録音されました。
01. Grace Jones: Pull Up To The Bumper
02. David Joseph: You Can't Hide (Your Love From Me)
03. Was (Not Was): Wheel Me Out (Classic 12-Inch Version)
04. Jah Wobble, Jaki Liebezeit And Holger Czukay: How Much Are They?
05. Wally Badarou: Manbo
06. NYC Peech Boys: On A Journey (Dubmix)
07. The Slits: I Heard It Through The Grapevine
08. Aswad: Warrior Charge
09. NYC Peech Boys: Life Is Something Special (Special Edition)
10. Grace Jones: Feel Up
Islandからの80年代ダブ・ディスコ集の締めくくりは、ラリー・レヴァンによるスペシャル・ミックス・アルバム『PADLOCK』(2003年)です。ラリー・レヴァンは、1976年にオープンしたNYの「パラダイス・ガラージ」を起点にNYハウス、ガラージハウス、ディープ・ハウスに繋がって行くDJカルチャーに於ける伝説に作った人。1992年に38歳の若さで他界しています。前述のIslandオムニバスに収録されているNYC Peech Boysは、彼のプロジェクトです。1983年に彼のGarageレーベルからリリースされた彼がスライ&ロビーによるプロデュースの元、グウェン・ガスリーのヴォーカル曲をミックスしたミニアルバムの復刻盤です。ボーナスとしてグウェン・ガスリーの5曲が追加されています。
◆Larry Levan Tribute