日本にも絶大なるファンがいるセルジュ・ゲンスブールですが、川勝正幸、サエキけんぞう、永瀧達治の3氏からなるゲンスプール委員会が、「ゲンスブール宣言」をし、ゲンスブール没後4年となる1995年に『ゲンスブール・トリビュート '95』を個性的なアーティスト&プロデューサーの10組でリリースしています。サエキけんぞうがプロデュースした細川ふみえによる『夢見るシャンソン人形』は、期待に応えるテクノ・フレンチ歌謡。当然、カヒミ・カリィ(小山田圭吾プロデュース)も参加しています。
また、このCDは、2002年に1曲差し替えで、『Gainsbourg Made In Japan』というタイトルで、フランスでもリリースされています。
「∞増殖するレコハン日記」でも紹介しましたが、MAD FRENCHの協力によりパリのレコード会社FGLから、ネオ・和風フレンチと言えるコンピレーション『Japan Touch』を2002年にフランスでリリースしています。サブタイトルは、「la nouvelle vague pop et electro」(「ニューウェイヴ・ポップとエレクトロ」という感じですかね)。サエキけんぞう(ポルナレフの『つけぼくろ』とゲンスブールの『Le Poinconneur Des Lias』をカヴァー)、Cima Cima(元Yapoosの吉川洋一郎もメンバー)、Qypthone、小島麻由美、加藤紀子、ELEKTEL(インタヴューにも登場)、Les Cappuccino、大貫妙子などが参加。
MAD FRENCHの仲間たちによるレーベル・オムニバス『Les Copains de Mad French』が2月20日にリリースされます。ジャケは、小島麻由美の絵ですね。この絵は、このアルバムのプロデューサーでもある永瀧達治(フレンチ狂家元)著の『フレンチ狂日記』の表紙とMad Frenchのロゴにも使われています。「同じ匂いの仲間たちに捧げて」という表現も使われていますが、それはオムニバスにとってとても大事なことだと常々思っています。決して同一性ではないのですが、一緒のアルバムに共存できるトーンが大事です。17のアーティストたちの音楽性は個性的であるにもかかわらず、このアルバムにはそのトーンが存在しています。全国のレコード店でもVivid Soundがディストリビューターとして販売されますが、Mad French関連CDはEuropointやVelvet Moon(MAD FRENCH WEBSITEのTOPから行けます)から通信販売される予定です。
僕がオムニバスを手に入れる理由には、(1)好きなアーティストの曲がここだけで聴ける、(2)新しい発見があるかもしれない、があります。このアルバムには、その両方がある。(1)は、すでに紹介したCrammed Discから『Debutante』をリリースして以来のSONOKOのブリジット・バルドーの『La Madrague』のカヴァーが聴ける事。『二人の夏にさようなら』という邦題がつけられていたかわいらしい曲ですが、彼女らしい繊細の美学を感じるカヴァーです。(2)は、美月レンカのはかなさの美学を感じる『真昼の記憶』。この官能的な美しい曲は、胸に刻まれる。作詞家、作曲家、ヴォーカリストとしても光っています。小説家として衝撃の処女小説『Loveless 22』を発表もしている人です。お二人とも、ぜひぜひアルバムをおつくりください。
なお、2月20日に発売のコンピレーションCD『MAD FRENCHの仲間たち(Les Copains De Mad French)』の記念イベントが大阪と東京で以下の予定で行われます。
2月14日(金) 19:00p.m.~23:00p.m. 大阪 CLUB DAWN
2月21日(金) 19:00p.m.~23:00p.m. 東京 LIVE IN ROSA
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