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アーティスト・インタヴュー~Part 15 ELEKTEL~未来型電子ポップ

未来型電子ポップ・ユニット、ELEKTELは『Space Travel with Teddybear』をひっさげて12月20日にアルバム・デビュー! ELEKTELの3人にインタヴュー。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

平賀源内のエレキテルって、小さい時から気になっていました。「エレキテル」は摩擦の原理で静電気を起こす日本で最古とされる電気機械です。健康器具のパイオニアでもあります。平賀源内は、日本で最初のテクノな人というイメージもあります。

そのエレキテルの名前に相応しい、電気仕掛けのポップ・ユニットがELEKTELです。近未来というノスタルジアがいっぱいの音の発明家集団ですね。メンバーは、ウエハラ・ケンイチさん(thermin、program)、polymoogさん(moog、program)、かわいいMamikoさん(vocal、keyboard)の3人です。各メンバーにインタヴューして、ELEKTELの秘密に迫ります。なお、ELEKTELのnet CD『The Man Who Wears Sunglasses』は、MP3.comで聴けます。

まずは、ウエハラさんです。

――まだ、テクノ系サイトが少なかった97年頃、ウエハラさんはSOULBUS(現ASTRONOTE)というソウルな名前のテクノなサイトをやっていたんですよね。それから、「ASTRO」(写真の雑誌)という自主制作雑誌の編集長もされていましたね。きっかけは何だったのでしょう?

初めてサイトを作ったのは学生のときに大学のWEBサーバに作ったのが始めで、今調べてみたら1995年6月13日が公開日でした。もう7年もたつんですねえ。まあそのページはサーバを渡り歩きつつ今もひっそりとあるんですけど、それとはべつに趣味の音楽全開のサイトを1997年4月1日に作ったのが今のASTRONOTEの始まりです。今でも5年前と同じURLでアクセスできるというのが密かな自慢。でもそのころはヒップホップとかソウル、ジャズにはまってたのでタイトルは「SOULBUS」でした。もちろんSOUL TRAINのパクリですが(苦笑)。

「ASTRO」というのは、自分のWEBサイトのコンテンツを編集してまとめた小冊子です。だからまず最初にWEBサイトありき。マニアックな内容が妙に受けて、下北沢ハイラインレコードとか吉祥寺shop33とかでも売ったりしたかな。でもなんでサイトの内容をわざわざ印刷して紙にしたかと言うとね、当時はインターネットを使ってる人がすごく少なかったんですよ!今じゃ信じられないかもしれないけど。

――それから、しばらくして、ウエハラさんから「音楽を真剣にやります。」みたいな宣言文のようなメールをもらった覚えがあります。何がそうさせたのですか?

たしか1999年ごろですよね。インターネットで知り合ったベルギーのPiet(テイトーワのファンサイトのWEBマスター)に、曲を誉められてお前の曲をもっと聴きたいとか言われたのがきっかけだったかな。まあ、それでちょうど2000年になったでしょ。区切りもいいことだし何か新しいことを始めてみようじゃないかと思って(笑)。それで2000年の1月1日に結成したのがELEKTELの始まりです。

最初に考えたのは、スタジオに集まって曲作って、練習してライブをするような普通のバンドは絶対にやるまいという事。インターネットを使って、好きなときに好きな人とコラボレーションできるようにしたかった。だからELEKTELはスタジオで練習なんてしないし、曲を作るときもやりとりはすべてインターネットです。

さらに言えば、写真だとウエハラ、polymoog、mamikoの3人で写ってるけど、実は第四のメンバーとしてネタ師のタクマがいるし、ライブのときにはマグナロイドさんがDJをしたり、山根さんがギターを弾いたり、ボーカルはトモコさん、リエさんが協力してくれるし、青梅街道派がVJをしてくれるし、こういうネットワークの中から生まれたのがELEKTELだと思う。

――それから、これは1999年だったと記録があるんですが、ELEKTELの最初のデモを頂きました(今でも大切にしています)。デモでは、テクノ歌謡的サンプリング・コラージュ(結構好きなんですよ)もありましたが、既にブレイクビーツ、ラウンジの要素も見られますね。その辺は既にELEKTELのコンセプトだったんですか?

そのころは普通にDJとかをしてたんですけど、クラブでかけるために自分で勝手にリミックスを作ってたんです。受けようと思って誰も使ってなかったテクノ歌謡とかニューウェーブをサンプリングしたりして。それがそもそも始まり。それを音楽ライターの小暮秀夫さんに聴いてもらったら、誉められてその気になって今に至るという感じかな。
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