テクノポップ/海外のテクノポップ

島唄~オキナワンポップ

大ブレイク中の元ちとせ歌姫を輩出した奄美、そして沖縄を訪ねてみます。ワールド・ミュージックとしてのオキナワンポップ大特集!

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

元(はじめ)ちとせ、こんな凄い勢いで売れてしまうとは、思いませんでした。最初、元(もと)ちとせと思っていたのは、僕だけではないでしょう。「元の名前がちとせなんだ」と勝手に思っていました。プリンスの名前が変な記号になっていたとき、元プリンスとか呼ばれていたんで。

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彼女がエピックレコードからメジャーデビューする前にリリースしたAugustaレコードからのファースト・ミニアルバム『Hajime Chitose』で、ビョークがヴォーカリストとして在籍したThe Sugarcubesの『Birthday』をカヴァーしている事を10CCさんに教えてもらい、一気に親近感が増しました。このミニアルバムでは、あがた森魚のアルバム『乙女の儚夢』に収録の『冬のサナトリウム』もカヴァーしています。カヴァーの選曲も渋いですが、個性的なヴォーカリストによる原曲を絶対的な個性をもってして自分のスタイルで歌い上げてしまう才能には、感嘆するばかりです。う~ん、ケイト・ブッシュもカヴァーしてほしいです。

そして、待望のファースト・フルアルバム『ハイヌミカゼ』は、7月10日にリリースされ、堂々のチャート1位。「ハイヌミカゼ」とは奄美の方言で「南風」という意味らしいですが、上田現、間宮工、山崎まさよし、エリック・ムーケ(Eric Mouquet)といった個性的なプロデューサーを迎えて、奄美島唄(奄美民謡)をルーツとする珠玉のジャパニーズ・ワールド・ミュージックを展開。独特のこぶしの利いたファルセット・ヴォイスで心地よい世界に引き込んでくれます。

レゲエのリズムを取り込んだ『ワダツミの木』では超良い仕事をしている、上田現は元LÄ-PISSCH。LÄ-PISSCH自体は現在も活動していますが、上田現は2002年3月に個人活動に専念するために脱退しています。元ちとせ効果なのか? 『ワダツミの木』のダブ・ヴァージョンとかも聴きたいですね。ちなみに、canariyaという耽美系の女性デュオ(以前メンバーのカオリさんからメールを頂いた事があるのですが)の『strobo』(2000年)というスプリット・アルバムを上田現がプロデュースしています。
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