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そして、満を持してリリースされたファースト・フルアルバム『moon』(オリコン14位)。2000年のJ-POPベスト・アルバムです。前述のシングル曲に加え、レベルの高いかつ適度の実験性に富んだ楽曲が詰まっています。『永遠の一日』は、白井良明が編曲した裏ムーンライダーズ曲でもあります。
実験度の低いシングル『HOW?』(オリコン20位)はちょっと飛ばして、その次の『スイミング』(オリコン15位)は、『煌めきの瞬間』のコンビによる軽快なギター・ナンバー。なんだか埋もれちゃった曲なんですが、これは聴きなおしてみると、意外といい。『煌めきの瞬間』がこのプロダクション・チームの「陰」とすれば、こちらは「陽」。女の子の気持ちを代弁するこなかりゆの作詞にも注目。そうか、女の子は比べたらだめなんだと、再確認。
そして、フカキョンの次のベクトルは、写真の『キミノヒトミニコイシテル』(オリコン8位で久しぶりのベスト10入り)でreadymadeへと。ピチカート・ファイヴが解散しても、フカキョンがいれば大丈夫なんて言うのは、かなり言い過ぎですが、『考えるヒット5』にて近田春夫が「あまりにもピチカートっぽい?」と評したピコピコ系readymadeサウンドは個人的に好きです。後述の福富幸宏と最近『Mansfield Popp』をリリースしたMansfieldのリミックス曲も収録。
これらのシングル曲を含んで、さらに新たなベクトルで適度の実験をするフカキョンのセカンド・フルアルバム『Universe』(オリコン19位)は、2001年のJ-POPベスト・アルバムです。2年連続受賞です。1曲目は、シングルにも収録の『キミノヒトミニコイシテル』の福富幸宏によるリミックス。福富幸宏は、昔ポジパンからハウスに転向したバンド、ソドムに在籍していました。4曲目の『質問があるの』は、モー娘。仕事でも有名な元SPANK HAPPYの河野伸による編曲のもらい泣きしそうな珠玉のナンバー。河野伸は、『Universe (Strings Version)』『フィギュア』『People』でも大活躍。
7曲目の『アメリカン・ショートヘアー』は、元Shi-Shonenの福原まりが作曲・編曲した、クレプスキュールな曲。ラストは、電気工学士リミキサー、寺田創一による『Canon』のリミックス。オリジナルの『Canon』は、前述のフカキョン・ピアノソロ『Dear…』に収録されているクラシック・スタンダードですが、リミックスの技ありです。
そして、シングル『ルート246』は、深田恭子 & The Two Tones名義で、5月22日に発売。限定盤は、DVDも付いてくる。最初は、The Two Tonesというので、スペシャルズのようなスカに挑戦かと思ったのですが、ピチカート仕様の出だしはスパイっぽいエレキ歌謡というかネオGS歌謡。でも、コンセプトはモッズらしく、確かにフカキョンはスクーターに乗っています。2曲目はDJよしおによるリミックスで、フカキョンによる「よしおくんのバカ」声ネタ攻撃。ネオGSシーンをリードしたMINT SOUNDでYOUNG ODENとかWINK THE SERVICE名義での活動した小西康陽の技!
やっぱり「侮れないフカキョン」。
【関連リンク】
『実は、トミフェブ』
「テクノポップ」のガイドなのに、好評につき、私はJ-POPを歪んだ角度から研究します。
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