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TOTOサウンドを継承? ジョセフの新作登場(3ページ目)

ジョン・ウイリアムスの息子、元TOTOのシンガーとして知られるジョセフ・ウイリアムスの新作が届いた。TOTOファン待望のエネルギッシュなロックアルバムに仕上がっている。

執筆者:田澤 仁


ジョセフの原点が見える2枚も再発


今回は、ジョセフ・ウイリアムスが過去に発表していた2枚のアルバムも同時に再発となった。その1枚が『ジョセフ・ウイリアムス』。今から27年前の1981年に制作され、82年にリリースされたジョセフのデビュー作だ。AORが大流行していた80年代初頭の作品だし、プロデュースはマクサスのジェイ・グルスカ。そんなところからも想像がつくように、AOR色の濃いパワフルなアメリカンロックが詰まったアルバムだ。

『ジョセフ・ウイリアムス』
1981年のデビュー作『ジョセフ・ウイリアムス』
凝ったリズムでフック満載の「What Is She Hiding」や、ラリー・ウィリアムスやジム・ホーンといったAORファンにおなじみの面々がそろったジェリー・ヘイ率いるブラスセクションが炸裂するスリリングな「I Didn't Do It」などのハードなロックチューンは、今聴いても文句なくカッコいい。スティーヴ・ルカサーやマイケル・ランドウのギターはバッキングもソロもわくわくするカッコよさだし、「One More Chance」や「Nothing's Lost」のようなメロウなバラードもジョセフならではのメロディのよさが光っている。まさに“ハード&メロウ”、よき時代のAORのエッセンスを凝縮した名盤といえる。

『アーリー・イヤーズ』
未発表デモ曲集『アーリー・イヤーズ』も再発
もう1枚は、1999年にリリースされていた『アーリー・イヤーズ』だ。こちらは前述の1stアルバムのリリース後、TOTO脱退後の1990年頃までにジョセフが作りためていた未発表のデモトラックを集めたものだ。ジェイ・グルスカやマイケル・ランドウ、実兄のマーク T.ウイリアムスといったいつものメンバーで制作されているが、シンセを中心にしたエレクトリックなサウンドが前に出ているのが80年代らしいところ。曲によってはマイケル・ジャクソンのような雰囲気や、『ファーレンハイト』あたりのTOTOっぽいところも顔をのぞかせる。ジョセフが加入したときにTOTOの雰囲気もちょっと変わったが、それはやはりジョセフがバンドに持ち込んだ要素が大きかったのだろう。そのことがよくわかるアルバムだ。ジョセフ加入時のTOTOが好きなら、このアルバムも気に入るに違いない。

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