マイケル・シェンカー・グループの初期作品で、やはりもっとも印象が強いのが1stアルバムだろう。“帰ってきたフライング・アロウ”のキャッチコピー、『神』というタイトル、そしてアルバムジャケットと、すべてが衝撃的だった。今回のデジタルリマスター盤は、ライヴバージョン、ラジオエディットバージョンのほかに、1979年の伝説のデモバージョンも収録された、ファン必携のアイテムとなっている。

衝撃だったMSGデビュー作


昨年、2年半ぶりの新作アルバム『IN THE MIDST OF BEAUTY』を発表、来日公演も成功させて、健在ぶりを見せつけたマイケル・シェンカー。何度も失踪騒動を起こし、アルコールに溺れ、ステージを途中で勝手に降りてしまうなど問題行動の多かったマイケル・シェンカーだが、このところやっと大人になったのか、以前に比べれば安定した活動を行っているように見えて、ホッとしているファンも多いかもしれない。

神
衝撃だったMSGデビュー作、“帰ってきたフライング・アロウ”『神』。今回は未発表デモも追加。
マイケル・シェンカーが、兄ルドルフのいるスコーピオンズからUFOに移籍し、再びスコーピオンズに復帰後、休養明けの1980年に発表したのが、マイケル・シェンカー・グループ名義の『神』だ。当時はマイケルの気まぐれなイメージもあったし、バンドメンバーにはスタジオミュージシャンのサイモン・フィリップスらを起用、最初のプロモーションビデオにはマイケルとヴォーカルのゲイリー・バーデンしか登場していないなど、このまま安定してバンドが継続するのかどうか、疑問視する声もあった。

しかし、この後コージー・パウェルやポール・レイモンド、クリス・グレンをメンバーにして翌年『神話』を発表、その後も『黙示録』や『限りなき戦い』など次々にヒットアルバムを制作、昨年の最新作『N THE MIDST OF BEAUTY』まで、ライヴなどを含め数年ごとにアルバムを発表してきている。そのマイケル・シェンカー・グループ(MSG)の原点といえば、やはり最初のこのアルバムということになるだろう。ハードロック/へヴィメタル界に衝撃を与え、大きな影響を及ぼした名盤である。

1曲目の「Armed and Ready」やアナログ時代のB面1曲目の「Into the Arena」は、乾いた音でプレイされる、シンプルで力強い超有名なリフはとてつもなくカッコいいし、「Cry For The Nations」をはじめどの曲のソロもドライな音色なのにフレーズは泣いていてとてもエモーショナル。サイモン・フィリップスの超テクニカルでクールなドラムも、マイケルのギターの熱さをより際立たせてるように感じるし、控え目ながらツボを押さえたドン・エイリーのキーボードも光っている。

そして今回は、ファンにはたまらない未発表曲のボーナストラックも追加されている。