ファンクの定番『ザ・サイドワインダー』
■リー・モーガン『ザ・サイドワインダー』リー・モーガン『リー・モーガンvol.3』以上に、リー・モーガン名義で有名なのがこの『ザ・サイドワインダー』である。
私が大学時代入会していたジャズ研では、なぜか毎回タイトルチューンである「ザ・サイドワインダー」を演奏していた。親しみやすいテーマとロックビートに近いリズムがジャズになじみのない人間にも聴きやすかったのかもしれない。
実際、この曲はかっこいい。不滅、という言葉がぴったりかもしれない。3コードの単純なテーマなのだけど、一度聞くと忘れない、キャッチーさがある。
ただ、多くの名盤にありがちなことだけど、このアルバムも、他の収録テイクも聞き逃せないものが多い。
個人的には、2曲目「トーテム・ポール」のリー・モーガンのソロはいつ聴いても熱いなあ、と思う。特に8分付近、テーマに帰る前の2コーラス分はとにかく熱い。変わった音使いをしているわけではないのだけど、切れ味抜群のソロに、バンド全体がグイグイ引っ張られているのがよい。 4曲目、ボーイ・ホワット・ア・ナイトは軽快なバリー・ハリス(p)の軽快なピアノテーマに続いて、ホーンセクションによるテーマの入り方がいかにもハードジャズである。
1曲あたりの平均の長さが5~10分と長いのだけど、そういう長さはほとんど感じさせない完成度の高い作品だと思う。
●関連記事・カテゴリ
シリーズ「ジャズ名盤千夜一夜」
記事「はじめてのジャズCD vol.1 これぞジャズ!」
記事「ジャズ用語徹底解説「ハード・バップ」って、なに?」
カテゴリ「ビッグアーティスト列伝」
カテゴリ「ジャズレーベル」