MIDI

[みでぃ] “Musical Instrument Digital Interface”の略。

現在、世界でもっとも普及している音楽情報のデジタルデータ形式であり、音程、音の長さ、音量、アーティキュレーションなど、楽譜以上に多くの音楽情報を書き込むことができ、そのデータを音源となるシンセサイザーなどのデジタル機器に送信することによって、自由に再生することができる。

ジャズにおいては、その根幹が即興演奏である点や、時代的なズレもあり、MIDIとジャズの関係が語られることはあまりない。

ただ、MIDIの登場が、無意識レベルでリスナーの音楽観を変容させたことはおそらく間違いなく、その影響はジャズ鑑賞・演奏の世界においても、避けられない。

●参考記事

「ジャズ鑑賞のWhere & How その5 MIDI的音楽観とジャズの未来」

ミュゼット

[みゅぜっと] フランスの古典民族楽器の一種で、一般的にはそれを中心に演奏された民族音楽の一ジャンル、特に19世紀末から20世紀はじめにフランスで流行したバル・ミュゼットを指すことが多い。

ミュゼット楽曲を演奏する場合は本来のミュゼットに代わり、オーボエなどの管楽器や、アコーディオンが用いられるケースが多い。また、ミュゼット独特のビブラートを再現するために、特殊なチューニングが用いられることもある。

楽曲の特色としては独特の粘りのある三拍子で、ギター、アコーディオンなどが即興的に演奏を行う。ジャズ界では、ジャンゴ・ラインハルトやステファン・グラッペリなど大陸系のジャズ・ジャイアンツに、ミュゼットのニュアンスを感じることができる。

ミンストレルショー(minstrel show)

[みんすとれるしょー] 19世紀アメリカの大衆芸能。靴墨などで顔面を黒く塗った白人が、黒人のダンスや歌の物まねを行い、多くの観客を集めたといわれている。

ミンストレルショーがその後のアメリカのショービジネスや芸能分野に残した正・負合いまみれた遺産は大きなものだった。たとえば奴隷解放以降に、ショービジネスに参入し始めた黒人たちは、自分たちの素肌である褐色を、靴墨で塗りつぶして舞台に立ったという。つまり彼らは、白人芸人がステレオタイプ化した「黒人」を演じたのだ。

ジャズ界における最初の黒人スターであるルイ・アームストロングは、生涯、白人が求める「黒人」を演じ続けたが、その後に続く世代であるチャールズ・ミンガスやマイルス・ディヴィスたちは、ルイやディジー・ガレスピーらが「誤った黒人像」を演じていることに批判的だったとされる。

ミンストレルショーを象徴とする、アメリカ社会における「黒と白」の構図は、単なる差別・被差別を超えた複雑な様相を呈する。マイケル・ジャクソンはなぜ白人になろうとするのか? OJシンプソンは、なぜ黒人になろうとする(OJシンプソンは、裁判が進行するにつれ、自らの黒人性を全面に押し出すようになった)のか。

ジャズにおいても、日本のジャズスラングでいうところの「クロさ」の問題など、ミンストレルショーの分析にまでさかのぼることで見えてくる問題は少なくない。


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