ジャズ/ジャズ関連情報

ガイドが伝授! ジャズの聴き方教えます Part2

ジャズって難しい?そんなことありません。皆さん自分の解釈で楽しんで下さい。ワタクシはこんな風に解釈しております・・・

執筆者:佐久間 啓輔

文章: 佐久間 啓輔(All About「ジャズ」旧ガイド)

ご好評いただきました「ジャズの聴き方教えます」、恐れ多くもパート2として今回もおとどけいたします!今回は2回目ということで、もう少し掘り下げて伝授(?)していきたいと思います。サンプルはジョン・コルトレーン(サックス)の『ブルー・トレイン』(1957年)。コルトレーン流ハードバップが存分に楽しめる作品であります。

※ジャケット写真がAmazon.comにリンクしています。



名門ブルーノートでコルトレーンがリーダーとして唯一レコーディングしたアルバムがこの『ブルー・トレイン』。サックスの限界に挑んだ『ジャイアント・ステップス』、究極のバラード集『バラッド』、問題作『至上の愛』を世に放つ前の、比較的ストレートにモダンジャズを演奏していた頃の作品です。

ジョン・コルトレーン
『ブルー・トレイン』
1.ブルー・トレイン
2.モーメンツ・ノーティス
3.ロコモーション
4.アイム・オールド・ファッションド
5.レイジー・バード

ジョン・コルトレーン(ts)、リー・モーガン(tp)、カーティス・フラー(tb)、ケニー・ドリュー(p)ポール・チェンバース(b)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ds)

ジャケットデザインがリード・マイルス、録音エンジニアがルディ・ヴァン・ゲルダーというブルーノートレーベルならではの雰囲気をかもしだしている本作の魅力はズバリ、アドリブ合戦!ではその内容を曲をおって検証していきたいと思います。

1.ブルー・トレイン
厳かなテーマではじまるブルース。モダンなハーモニーが何かを予感させます。コルトレーンからのアドリブはいきなり誰にも止められない世界で、バックリフが入る7コーラス目でやめとけばいいのに、つい8コーラス目までいってしまいます。続くリー・モーガンは当時なんと18歳。勢いだけではなく、新鋭ハードバッパーとしての頭角をすでにあらわしています。この後モーガンはアート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズへ参加。33歳の若さで他界するまで、突っ走るのです。

2.モーメンツ・ノーティス
この曲を聴きたいがためにこのアルバムを買う人も少なくはないでしょう。カッコイイ曲です。コーラスの最後のべダル(Bbのベースがつづく)部分がスカっとします。そして出た!チェンバースのアルコソロ!
お気づきの方もあると思いますが、ベースのポール・チェンバースとドラムのフィリー・ジョー・ジョーンズは、前回紹介したマイルスの『ラウンド・アバウト・ミッドナイト』と同じリズムセクション。この二人は、例えばアルトサックスのアート・ペッパーのアルバムタイトルで、『ミーツ・ザ・リズムセクション』とうたわれたように、当時のモダンジャズのリズムセクションには無くてはならない存在として、多くの作品に名前を連ねています。

3.ロコモーション
またまたブルース。ただしこちらはサビ付きで変化をつけています。ハイテンポの曲で、なんだかドタバタした忙しい印象をうけます。アドリブ前のカーティス・フラーとリー・モーガンの8小節におよぶブレークが印象的ですね。下の譜面はフラーのアドリブ25小節目(12小節のブルースで言うと5小節目)からのフレーズ。「オイシイ」フレーズです。

 

  • 1
  • 2
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます