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バレンタイン特別企画 My Funny Valentine

今年のバレンタインデイは、このCDで大人のアレンジに。名曲『My Funny Valentine』をガイドがレコメンド。

執筆者:佐久間 啓輔

文章: 佐久間 啓輔(All About「ジャズ」旧ガイド)

“マイ・ファニー・バレンタイン(My Funny Valentine)”は、ジャズでもっとも取り上げられるスタンダードの一つです。ミュージカル「Babes in Arms」(1937年)で歌われた曲で、内容は、ちょっと不細工なバレンタイン(もちろん男、イタリア読みするとヴァレンチノですね。)を慕う女性の気持ちを綴ったラブソング。

様々なアーティストによって、歌われ、演奏されてきましたが、今回はそのなかで、ガイドの推薦する名演を紹介していきたいと思います。

※アルバムジャケットがAmazon.comにリンクしています。


帝王マイルスが贈る極上バラード
マイルス・デイビス
『マイ・ファニー・バレンタイン』

ジャズの帝王マイルスが18番としている“マイ・ファニー・バレンタイン”は全て名演!数あるトラックのなかで、ここでは、同名のアルバムタイトルからの演奏を紹介します。
マイルスの演奏の凄いところは、ジャズの定石フレーズを羅列せず、ひたすらメロディアスにアドリブすることです。リアルタイムの作曲と言っても過言ではありません。当演奏はその真髄を充分に味わえる名演。
ハービー・ハンコック(ピアノ)の的を得た合いの手も見逃せません。申し合わせたかのように、縦横無尽に入ってくるハンコックの伴奏が、この演奏に色付けをしています。


ハマると気持ちいい
チェット・ベイカー
『シングス』

トランペッターのチェット・ベイカーが、ボーカルをメインにレコーディングした作品。上手いのか下手なのかわからないチェット・ベイカーのボーカルは、違和感を感じてしまうかもしれませんが、ハマると気持ちよくなっていくと思います。本作の“マイ・ファニーバレンタイン”もジャズの名演の一つで、けだるく歌い上げる様が、大人の雰囲気をかもし出します。
一方、チェット・ベイカーのトランペットは、かなりオーソドックスなスタイルで、いわゆるビバップフレーズの手本にはもってこい。スキャットを歌うときも、トランペットのフレーズそのままなので、わかりやすい。
ハマってしまった方は、 32年後の1986年に録音された『シングス・アゲイン』もどうぞ。

 

至高のデュオ
ビル・エバンス
『アンダーカレント』

もっとも美しい音を出すピアニストとギタリストが、二人で演奏するとどういう事になるか?本作を聴いてみて下さい。
ピアニストのビル・エバンスとギタリストのジム・ホールが演奏する、この“マイ・ファニー・バレンタイン”は非常にスリリング。一方がメロディ、もう一方が伴奏という事にはなっているようだが、それを超越した会話をするような演奏は、まさに究極のインタープレイ



いかがでしたでしょうか?機会があったら、ジャズ喫茶やライブハウスでリクエストしてみて下さい。生演奏のお店では、あっと驚くような演奏に出会えるかもしれませんね。

 

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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