全製品ともUSB端子搭載で、Cubase AI 5が付属
今回発表されたすべての製品にCubase AI 5がバンドルされている。もちろんすべてWindows、Macの双方で利用できる |
もはや、電子楽器はパソコンと接続して使うのが基本になったのかもしれません。その意味ではDTMなんて言葉も消えていくのでは……とも思ってしまいますが、この世界が広がっていくということは喜ばしい限りです。
その一方で、現在はYAMAHA傘下となっているドイツの音楽ソフトメーカー、SteinbergはYAMAHA製品向けのDAWとしてCubase AI 5を昨年リリースしました。これは単体では販売されていないソフトですが、YAMAHAの戦略として、これをUSB搭載の楽器・機材すべてにバンドルしていこうということなのかもしれません。
もっとも有機的な連動ができるのがDTX drum。これはExtentionと呼ばれる拡張ソフトもいっしょにインストールすることで、DTXの本体パネルから直接Cubaseをコントロールできるようになっているのです。
Cubaseを目的に製品を買うのもあり!?
Cubase AI 5のオープニング画面。トラックやエフェクトのセッティングを誰でも簡単にできるようになっている |
Cubase AI 5は、オマケソフトとしての位置づけにはなっているものの、DAWとしては十分すぎる機能、性能を備えています。今回の新製品の中でもっとも安いのは約20,000円で購入できるPOCKETRAK C24ですが、これにDAWが付いてきてしまうのですから、驚きです。Cubase AI 5だけを目的に20,000円を出しても損はないくらいの価値がありますからね。
Cubase AI 5は高性能なDAWですから、まさにオールマイティー。MIDIシーケンサとしてCP1と連携させることもできるし、POCKETRAKで録音した音を読み込みながら音を重ねていくのもいいでしょう。またMIDIで打ち込んだ曲に合わせてDTXを叩いてレコーディングしていくのも面白いかもしれません。
可能性はまさに無限大ですが、これらの製品にはCubase AI 5との連携方法に関して書かれた冊子がついてくるわけではありません。Cubase AI 5単体の使い方であれば、PDFの形での電子マニュアルが用意されていますが、それだけなので、大半の人には何のソフトかもよくわからないかもしれません。また、インストールしてもまったく使えないケースが多いように思えます。
その意味では、宝の持ち腐れになってしまいそうですが、本当にすごいソフトですから、ぜひ多くの人が、たまたま手にしたCubase AI 5をキッカケにDTMの世界にやってきてくれればと期待しているところです。
ちなみに、手前味噌にはなりますが、Cubase AI 5を使いこなすためのマニュアル本をWindows用、Windows用Mac用それぞれリットーミュージックから出しています。Cubase AI 5を入手した方は、ぜひこんな本をうまく活用していただけたらと思っています。
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