DTM・デジタルレコーディング/DTM基礎知識

DTMにとってのWindows7・64bit環境(3ページ目)

Windows7はDTMにとって使える環境なのでしょうか? さらには注目の64bit版はDTMで利用可能なのでしょうか?今回は、このWindows7・64bit版がDTMにとってどのような意味を持つのか探ってみました。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

SONARやCubaseも64bitにネイティブ対応

Windows7 64bitのDTM環境
SONAR 8.5をインストール時に32bit版か64bit版かをきかれる
もちろん、ハードウェアだけ動いてもソフトウェアが動かなくては、意味がありません。では、肝心のDAWのWindows7 64bit版への対応状況はどうでしょうか?

実はこれが結構進んでいるのです。ご存知だった方もいるとは思いますが、まずSONARは2005年、SONAR 4の64bit版「SONAR x64 Technology Preview」を評価版としてリリースした後、SONAR 5以降、現在のSONAR 8.5に至るまで常に32bit版、64bit版の双方のソフトウェアをハイブリッドの形で出してきました。


Windows7 64bitのDTM環境
Cubaseもインストール時に32bit版か64bit版かをきかれる
一方、CubaseもCubase 4.1のときに64bitプレビューバージョンをリリース。そして現在のCubase 5においては正式に32bit版、64bit版のハイブリッドとしてリリースされています。

そのほか、もともとCubaseを開発していたエンジニアがスピンアウトして、2009年末に発売した新たなDAWであるPresonusのStudio Oneも初期バージョンからWindows 7の32bit版および64bit版の双方の環境でネイティブに動作するハイブリッド版をリリースするなど、64bitのDAWが次々と登場してきているのです。


32bitアプリケーションも64bit環境で動作する

Windows7 64bitのDTM環境
32bitのアプリケーションはCドライブの「Program Files (x86)」というフォルダにインストールされる
とはいえ、まだ64bit版が出ていないアプリケーションが大半であることも事実です。

たとえば初音ミクをはじめとするVocaloid2シリーズ、インターネットのSinger Song Writer、PropellerheadのReasonやRecord、AbletonのLive、Sony Creative SoftwareのSound ForgeやACID……とほとんどのDTM関連アプリケーションは32bit対応であり64bit対応していません。

これらのアプリケーションは64bit版のWindows 7上で動作するのでしょうか?


Windows7 64bitのDTM環境
32bitアプリケーションである初音ミクなども問題なく動作させることができた
結論から言ってしまうと、どれも問題なく動作します。メーカーが正式サポートしていないケースもありますが、実際は普通に動かすことができ、各オーディオインターフェイスのASIOドライバ、WDMドライバを指定してレコーディングしたり再生したりすることが可能です。

実際インストールしてみるとわかりますが、通常はCドライブの「Program Files」というフォルダに各アプリケーションがインストールされるのに対し、64bit版のWindows 7に32bit版のアプリケーションをインストールすると「Program Files(x86)」というフォルダにインストールされます。

絶対にトラブルを起こさないという保障があるわけではないので、業務用での使用はお勧めできないものの、普通に使うのであればまったく問題なく使えそうです。
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