DTM・デジタルレコーディング/DTM・デジタルレコーディング関連情報

ゲーム業界における音楽制作環境(2ページ目)

ゲームにおいて重要な位置を占めるサウンド、ゲーム制作会社ではどのようにして制作しているのでしょうか?ファイナルファンタジーXIIIの発売が間近となったスクウェア・エニックスに話を聞いてみました。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

レプリカの剣を用いてスタジオで録音

スクウェア・エニックス
インタビューを行ったコンソールのあるミキシングスタジオの隣にあるフォーリー用のレコーディングブース
--いろいろなカテゴリがあるとのことですが、具体的にどんなことをしているのか、もう少しお話いただけますか?
祖堅:BGMは普通にCDを制作するのと同様の流れですので、割愛しましょう。現在、ゲームのサウンド制作は映画におけるサウンド制作と、そっくりなものになってきています。CGでできたムービーに5.1chで音を付けるのが主流となっており、その素材となるSEリソースに対しては各方面から取り組んで制作しています。たとえば剣によるチャンバラの音は、レコーディングブースにマイクを立て、本物ソックリの金属製のレプリカの剣を使って、ガチャンガチャンとやりながら録ったりもします。このレコーディングブースはフォーリー(効果音)に特化したスタジオになっていて、床に石や金網が置いてあったり、砂を敷き詰めることが可能になっていて、映像を見ながら、それに合わせて足音を録ったりしているんですよ。


スクウェア・エニックス
社内には金属の剣やヨロイなど、ガラクタにしか見えないような機材が、録音用素材として、棚に置かれている
--実際に剣を使ってチャンバラをするんですか!?
祖堅:剣に限らず、鎧や、金属のガラクタなど社内には音を録ることを目的とした、さまざまなアイテムが置いてあるんです。こうした音は既存の音素材から絵に合わせてエディットしていくより、実際に絵を見ながらガラクタを振りまわしてマイクで録ったほうがリアリティーが出ますし、何より素材をこねくり回しているよりも早く作業を終えることが多いです。もっとも当社の場合、ファンタジーの世界の作風が多いので、現実音で作れないサウンドも多くあります。だから、魔法のサウンドなどは、音源とエフェクターを駆使して作っていますよ。
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