DTM・デジタルレコーディング/オーディオインターフェイス

SHUREからモニターヘッドフォン3機種登場(3ページ目)

マイクメーカーとしてお馴染みのShureからプロ仕様のモニターヘッドフォンが3機種発売されます。DTM・デジタルレコーディング用途としても高い性能を発揮するというこのヘッドフォンを試してみました。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

共通点は低域もしっかりと出ること

SHUREモニターヘッドフォン
エントリーユーザー向けで、iPod用などとしても使えるSRH240
今回、3機種を使ってみて、まず最初に感じたのは低域がしっかり出ているということ。これはSONYのMDR-CD900STと比較しての印象ですが、ここは大きなポイントだと思います。MDR-CD900STの場合、高域はキレイに出ているけれど、それに比較して低域が弱いのは事実。そのため、これでバランスをとると、結果低域が出すぎる曲ができる傾向があるのです。それに対し、SHUREの新製品である3機種は、高域がフラットにキレイに出ているのとともに低域もしっかり出るため、聴きやすくなっています。

一番下位モデルであるSRH240の場合、「DTMや携帯音楽プレイヤーに最適なエントリー・モデル」というキャッチコピーがついていることからも想像できるように、iPodなどでリスニング用として使ってもいいように音の調整が取られており、モニターヘッドフォンを初めて使うときに感じる違和感はかなり軽減されています。

一方、音のニュアンスの違いがハッキリ感じられる解像度という面では、SRH440、さらにはSRH840と上位モデルになるほど高くなります。ただ、3機種を同じ環境で再生した際の音量は上位モデルになるほど、小さくなる傾向にあるようです。これは最大許容入力、入力インピーダンスとの関係によるものだと思います。そのためSRH840を使って大きな音量でモニタリングするには、オーディオインターフェイスなどのヘッドフォンボリュームを大きめに設定する必要があります。もっとも、多くの機材の場合、ヘッドフォンアンプのボリュームややや大きめに設定したほうが、アンプ性能をより発揮しやすいので、結果としてはいい音が出せるというのもポイントでしょう。


ケーブルは上位2機種は片出し、SRH240は両出し

SHUREモニターヘッドフォン
ドラム用にも使ってみたところSRH240は、両出しのためやや使いづらかったが、SRH440は快適だった
今回、3機種を使ってみましたが、音の傾向は似ているものもの、使用感という面では結構違いがありました。ヘッドフォンを使う上で感じるものとしては、重さやフィット感というものがあります。ケーブルを除く本体重量が上から約318g、約272g、約181gとなっており、上位機種ほどフィット感が出てきます。が別の言い方をすると、上位機種ほど耳を圧迫するため、個人的にはSRH840はちょっと強い印象でした。


SHUREモニターヘッドフォン
SRH840とSRH440は脱着式の3mのカールコードが使用されている
またケーブルの形状も異なります。SRH840とSRH440は左からの片出しタイプで、3mのカールコードとなっているのに対し、SRH240は両出しで2mのストレートコードとなっています。DTMでのモニターであれば、どれでもいいのですが、ドラム用に使ってみたところ、やはり両出しのSRH240では絡まってしまい、使いにくく感じました。やはり、動きがあるライブ用などでは片出しモデルのほうが、よさそうです。


SHUREモニターヘッドフォン
ケーブルの脱着コネクタにはロック式のBayonet Clipが採用されている
一方、このケーブルSRH840とSRH440は脱着式になっているのも大きなポイントです。ヘッドフォンとケーブルの接続には高い堅牢性を備えたロック式のBayonet Clipというものが採用されており、コネクタを差し込んでカチッと回すと抜け落ちない構造になっています。
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