DTM・デジタルレコーディング/DAWソフト活用ノウハウ

Waldorfの集大成ソフトシンセ、Largo(4ページ目)

老舗のシンセサイザメーカー「PPG」、それを引き継ぐWaldorfの集大成ともいえるソフトシンセ、「Largo」が誕生しました。どんな音源なのか紹介しましょう。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

2つの独立したフィルタで音色を作り込む

Largo
独立した2種類のフィルタ
そしてこれらオシレータの音を隣のMixerでミックスしていきます。その際、リングモジュレーションをかけたり、ノイズを混ぜていくことも可能です。

さらに、右側にあるフィルターを使って音色を作りこんでいきます。このフィルター、上下に2種類独立して存在し、エッジの効いたサウンドに仕立て上げていくというのが基本的な構造です。

シンプルなシングル画面とはいったものの、画面下には、Common、LFOs、Envelopes、Matrix、Arpeggiator、Effectsというボタンがあり、それぞれのボタンを押すことで、ボタンの下の画面が切り替わるようになっています。


各モジュール間を結合させる16個のマトリックス

Largo
各モジュール間での影響を与えたり、ベロシティやコントロールチェンジなどの情報をモジュールに与えるMatrix
簡単に説明するとCommonは最終的な音を調整するためのイコライザなどの設定を行うもの、LFOsは、オシレーターやフィルターにかけるための3種類の独立したLFOです。またEnvelopesはフィルターに対してや、音量に対して、またその他汎用的に使う計4種類のエンベロープジェネレータとなっています。

さらにMatrixはちょっと複雑なもので、Largoの多様性の決め手ともいえるものです。ここには16種類のマトリックスというものがあり、たとえばベロシティーをエンベロープに影響させるとか、サスティンペダルをLFOに影響させる、さらにはLFOを別のLFOにかけるなど、MIDI情報やモジュール間での関連性を自由に構築するための機能となっています。
そしてArpeggiatorは、アルペジエータ。弾いた和音(単音)をアルペジオに展開して演奏するための機能です。このアルペジオ、自分で自由に組むことができるので、既存のアルペジオに満足できない人にとっても、面白いツールだと思います。


独立2系統、6種類のエフェクトを内蔵

Largo
Largoには2系統、6種類のエフェクトが搭載されている
最後のボタンがエフェクト。ここには2系統、6種類のエフェクトが搭載されており、音色ごとに自由に設定することができます。

ご覧のとおり、左側のエフェクトはコーラス、フランジャー、フェイザー、オーバードライブの4種類、右側はそれに加えて、ディレイ、リバーブの計6種類が扱えます。もちろん、こうしたシンセ内蔵のエフェクトを使わず、DAW搭載のプラグインエフェクトを使うのも手ですが、内蔵エフェクトであれば、一度設定してしまえば、音色を呼び出すだけで、エフェクトも再現できて、なかなか便利です。
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