16×16のLEDボタンを用いた不思議な電子楽器
16×16のボタン型のLEDが配置された不思議な電子楽器、TENORI-ON |
YAMAHAの社長いわく、「TENORI-ONはまだアーティストのいない楽器」とのこと。つまり、ギターやピアノ、トランペット、バイオリン、ドラム……など既存の楽器ではないため、まだ世の中にアーティスト=プレイヤーがいない、ということなのです。
約20cm×20cmの正方形のマグネシウム合金のフレームを使ったこの楽器には、16×16の白いボタン型のLEDが配置されており、これを使って演奏するのです。そしてLEDであるだけに、これが光るわけですが、ボタンとなっている表面だけでなく、裏面にもLEDがあり、裏表が同時に光るので、演奏者のプレイをオーディエンスも光の形で見ることができるようになっています。
まさに光と音のハーモニーという感じですが、TENORI-ONは「音楽の知識がなくても視覚的・直感的に作曲、演奏ができる」というのがウリの楽器でもあるのです。
メディアアーティストの岩井俊雄氏との共同開発
TENORI-ONのコンセプトから実際の仕様作りにも携わった岩井俊雄氏(左)とYAMAHAの開発担当者、西堀佑氏 |
このTENORI-ONのコンセプトから設計の多くを担当したのは、メディアアーティストとして著名な岩井俊雄氏。岩井氏によると、そのルーツにあるのは、彼が学生時代に買って使った紙テープ式のオルゴールにあるといいます。楽譜ではなく、幾何学模様のようなパンチ孔で演奏できるオルゴールに最新の技術、ユーザーインターフェイスを組み合わせて作ったのが、TENORI-ONだ、というわけです。