ホームレコーディング仕様のProTools LE
前回、ProToolsに関しての概要を紹介しました。そこでも書いたとおり、ProToolsは業務用のDAWシステムで、Macを中心にProTools Software、HD Coreカード、192 I/Oなどで構成されており、トータルで数百万円というシステムになります。
そのため、いくらスタジオで広く使われているとはいえ、ホームレコーディング用途で一般ユーザーが購入するのはなかなか厳しいものがありました。そこで、Digidesignが投入したのは完全にホームレコーディングのユーザーのために出したProTools LEです。
ProTools LEはProToolsと互換性を保ちながら、DSPを使わずにCPUだけで動作するというものです。具体的にはRTASには対応しているけれどもTDMには非対応というソフトウェアなのです。したがって、スタジオで作ったデータをそのまま再生できるわけではありませんが、反対方向であれば完全な互換性が保てるため、スタジオでProToolsを使うミュージシャンが自宅でプリプロ作業をするためなどに広く普及しました。
ProTools LEのソフト単体発売はされていない
ProTools LEがバンドルされているUSB接続のシステム、Mbox 2 |
Mbox 2
Digi 002 Factory
Digi 002 Rack
がそれであり、ソフト単体で購入することはできないし、仮にソフト単体を持っていても、これらのハードがないと、起動することができません。
これらは業務用のProTools |HDと比較すれば圧倒的に安いものの、やはりそれなりに高価ではあります。また、手ごろな価格のMbox 2の場合USB接続のオーディオインターフェイスであるため、コンパクトではあるもののUSB 1.1での接続であるため、アナログ、デジタルそれぞれ2In/2Outで、最高でも24bit/48kHzに制限されるなど、スペックに不満を感じる人も少なくないでしょう。
以前、ProTools LEの英語版がフリーで配布されたことはありましたが、現在はそうしたものはありません。