DTM・デジタルレコーディング/シンセサイザー活用ノウハウ

(1)ウェーブテーブルって何?(3ページ目)

多くの初心者がぶつかる大きな壁が、シンセサイザの音色作り。でも、基本さえ覚えておけば、どの音源にも応用が効きます。そこでこれから数回にわたりシンセサイザの音作り入門を展開しましょう。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

ウェーブテーブル・シンセサイザとサンプラーの違いは紙一重


すでにお気づきだと思いますが、一般のウェーブテーブル・シンセサイザとサンプラーの違いは、サンプリングデータの差し替えが可能か否かという点にあります。

Giga Studio 3
サンプラーもウェーブテーブル・シンセサイザのひとつ。違いはウェーブテーブルデータの差し替えが可能であるということ。画面はTASCAMのGiga Studio 3
つまり、ハードの場合、ウェーブROMが搭載され、音色が固定されているのが、ウェーブテーブル・シンセサイザであり、読み書き可能なメモリであるRAMが搭載され、音色データを差し替えできるのがサンプラーというわけです。まあ、元来のサンプラーは、その楽器自体で、サンプリングできるものをサンプラーと呼んでいましたが、最近の使い方は、自分でサンプリングするのではなく、プロがサンプリングした音を利用するのが主流になっています。そのため、プレイバック・サンプラーといった呼び方をすることもあるようです。


また、ソフトシンセ(ソフトサンプラー)ともなると、その違いは非常に曖昧で、非常に似たものとなっています。が、やはりハードの場合と同様に、サンプリングデータが固定されているものがウェーブテーブル・シンセサイザで、差し替え可能な設計になっているのがサンプラーというわけです。

アナログシンセの考え方がすべてのシンセサイザの基本にある


Pro-53
ほぼすべてのシンセサイザは、その根底にアナログシンセサイザの基本がある。逆にいうと,アナログシンセサイザを理解すれば、さまざまなシンセサイザへの応用が効く
以上、今回は現在のシンセサイザの中心であるウェーブテーブル・シンセサイザの基本を中心にお話しましたが、このウェーブテーブル・シンセサイザを含め、ほぼすべてのシンセサイザに共通する音作りの基本にアナログシンセサイザがあります。


そう、ウェーブテーブル・シンセサイザでも単にサンプリングデータを再生するだけでなく、音色をいろいろと変化させることができるのですが、その音作りの考え方の基本は、昔からあるアナログシンセサイザと同様の仕組みが用いられているのです。

そこで、次回からはそのアナログシンセサイザがどのような仕組みになっていて、どんなパラメータがあるのか、そして各パラメータを動かすことで、どのような音の変化が出るのかということを見ていくことにします。

【参考ガイド記事】
シリーズDTMの基礎知識
DTM・デジタルレコーディング用語辞典
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