DTM・デジタルレコーディング/シンセサイザー活用ノウハウ

(1)ウェーブテーブルって何?(2ページ目)

多くの初心者がぶつかる大きな壁が、シンセサイザの音色作り。でも、基本さえ覚えておけば、どの音源にも応用が効きます。そこでこれから数回にわたりシンセサイザの音作り入門を展開しましょう。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

ウェーブテーブル・シンセサイザの原理はテープレコーダー!?


ウェーブテーブル・シンセサイザというのは、サンプリング(デジタル録音)した音を元に、発音するもので、極端に言えば、録音した音を再生しているだけです。もちろん、ただ再生させただけでは音階も変えられないし、音の長さも変わりません。そこで、デジタル計算によって、音を変えているわけですが、音階の変化の基本はテープの早回し再生、遅回し再生での音程の変化と原理は同じです。

ただ、極端に音程を変化させると、元の音色のニュアンスが変わってしまうため、数多くの音階でサンプリングして、切り替えて使うようになっています。このことは、あまり高速にテープを回しすぎると、元の声と変わり過ぎてしまうということからも、分かるでしょう。

また、サンプリングデータさえ差し替えれば、まったく別の音色に変化するということも容易に想像できるでしょう。ピアノを録音した音を使えばピアノになるし、ギターを録音した音を使えばギターになる、というわけです。つまり、どれだけ多くの種類のサンプリングデータを持っているかによって、その音源の音色数が変わってくるというわけです。また、サンプリングデータ=ウェーブデータが表のように収録されていて、その表を参照して音を再生するため、ウェーブテーブル・シンセサイザと呼ばれているわけです。

さらに、1つの音色においても数多くの音階で録音することにより、よりリアリティーが出てきますし、より高音質で録音するほど、音も良くなっていきます。もちろん、高音質化させたり、音色数を増やすことにより、必要なサンプリングデータは増えていきます。多くのハードのシンセサイザでは、こうしたサンプリングデータはROM(読み出し専用メモリ)に入っているので、各メーカーとも「●●MBのウェーブROMを搭載」といったことを宣伝しているわけです。
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