DTM・デジタルレコーディング/オーディオインターフェイス

S/PDIFを活用したDTMモニタリング環境構築術 手軽で安価に実現する高音質環境

PCを使ったオーディオ環境ってどう構築していますか?S/PDIFをうまく利用すれば、オーディオ機器をはるかに上回る高音質なモニタリング環境を作ることができます。そんな方法を紹介しましょう。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

DTMにおいて必須となるのがモニタリング環境、つまりオーディオ音の再生環境の構築です。一般的にPCの出す音のクオリティーなど低いもの、とされていますが、ちょっとした工夫により、ミニコンポはもちろん下手な高級オーディオ機器よりもいい音で再生することが可能になります。今回はそんな方法について紹介しましょう。

馬鹿にされてきたPCのオーディオ再生環境


一般的にPCにおけるオーディオの再生環境は劣悪なものとして馬鹿にされてきました。確かに、多くの場合、PC環境で鳴らす音は貧弱なもので、音楽の再生環境として考えると非常にレベルの低いものです。それもそのはず。いくらAV機能うんぬんといってもパソコンメーカーにとってオーディオ機能などはオマケのものであり、ここにコストはかけられていません。だから必然的にチープな音になってしまうのです。

PCの音がチープなものである理由


こうしたPCのオーディオ再生環境が劣悪で、貧弱な音になる理由はどこにあるのでしょうか?もう少し具体的に考えてみましょう。根本の原因は、そこに接続するアンプ内蔵スピーカーが貧弱であることです。値段がすべてでは決してありませんが、数百円で売られているスピーカーでまともな音が出るとは思えません。そして、このスピーカー、音量を上げていくと再生していない状態でもブーンというハムノイズやザーっというヒスノイズが聞こえてきます。やはりノイズ対策がしっかりされていないのでコンピュータそのものが出すノイズやディスプレイが出すノイズなどが拾われてしまうのです。

そして、サウンドカード、オーディオインターフェイス側にも問題があるケースも多々見られます。最近のPCはマザーボードにオーディオ機能を搭載しており、誰でも簡単に使えます。しかし、とくにそのアナログ回路はかなりひどいものが多く、起動音やエラー音などを出すのであれば問題ないものの、音楽を聴くには適していません。スペック上は24bit/96kHzとか、24bit/192kHzなどとなったものもありますが、その性能を生かせるような設計にはなっていないのです。
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