DTM・デジタルレコーディング/デジタルレコーディング基礎知識

【エフェクトの基礎知識】その4 コンプレッサ/リミッタ(2ページ目)

その3以降かなりの時間がたってしまいましたが、エフェクトの基礎を紹介するこのコーナー、今回はダイナミックスエフェクトの代表、コンプレッサ/リミッタについて、見てみましょう。

藤本 健

藤本 健

DTM・デジタルレコーディング ガイド

DTM(デスクトップ・ミュージック)という言葉が生まれてから20年以上が経ちました。それ以前からずっとこの分野を追ってきましたが、技術の進歩に伴いPCでできる音楽制作の幅はどんどん広がってきています。その長い経験と技術知識を元に、DTM・デジタルレコーディングのノウハウや情報を分かりやすくお伝えしていきます。

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■スレッショルドとレシオ

まず比較的分かりやすいのがリミッタとしての使い方なので、こちらから見ていきましょう。楽器の演奏というのはダイナミックレンジが広く、非常に小さい音から大きい音まで出ます。しかし、これを録音したり、アンプを通して音を出すとなると、扱える音量には範囲が絞られてきます。もし、範囲を超えた音を入力すると、音量オーバーとなって、音が割れたり、歪んだりしてしまいます。そこで登場してくるのがリミッタです。つまりある音量以上の音が入力されたら、それを抑えて制限範囲をオーバーしないようにするという働きをするわけです。

コンプレッサ,リミッタといっても、範囲ギリギリのところで、いきなり抑えたのでは不自然な音になってしまうし、結果的に音も割れてしまいます。そのため、その少し手前の音量から音を抑えるのです。そのレベルのことをスレッショルドレベルと呼んでいます。また、どのくらい抑えるかを比率で設定し、その比率のことをレシオと呼んでいます。右のグラフのようなもので、スレッショルドレベルまでは普通に音が出て、それ以上になると音の大きくなり方が緩やかになるというわけです。


それに対し、コンプレッサというのは、より積極的に音を抑えに行く使い方となります。そのため、よく「音を潰す」という表現をしますが、実はこれが非常に有効なエフェクトなのです。使うシーンはいろいろありますが、DTMユーザーにとって非常に意味があるのが、マスタリングでの使い方です。そう、最終的に音楽が仕上がった後にコンプレッサを通すことで、よりいい作品として完成するのです。
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