■SONARのほとんどの機能がそのまま使えてしまうお得バージョン
まあ、こうした下位バージョンというものは従来からも存在していましたが、これまでの場合、この手のソフトは、初心者をターゲットとしていることもあり、肝心な部分の機能が制限されているケースがほとんどでした。たとえば、扱えるトラック数に制限があったり、MIDIの分解能が低かったり、オーディオの場合16bit/48kHz程度までしか扱えなかったりと、本気で使うのには物足りなく感じるものばかりでした。
ところがこのCakewalk Home Studio 2004というソフト、見た目はもちろんのこと、細かなスペックを比較していっても、SONAR 2との違いがあまりないのです。細かな比較表はCakewalkの日本語サイトにあるので、そちらを参照していただきたいのですが、具体的な相違点として機能ダウンしている点を挙げると
・OMFが非サポート
・タブ譜/フレットボードの非サポート
・DirectX/DXiの同時使用が24まで
(SONARは無制限)
・Cycloneを同梱せず
・同梱DirectXエフェクト数が8つ
(SONARは24)
・同梱MIDIエフェクトが10
(SONARは14)
・フェード/クロスフェードが非破壊のみ
・無音部分削除/タイミング抽出/エンベロープ機能の非サポート
・Calの非サポート
・MIDI Syncはマスターのみ
・SMPTE/MTC/MMCの非サポート
・クロマチック・チューナーの非サポート
・各編集ウィンドウのフローティング表示ができない
というのですべてです。
この相違点の中で気になるのはプラグインがDirectXとDXiを合計して24までということと、同梱エフェクトが少ないこと、同期機能があまりないということくらいではないでしょうか?。逆にいうと、ここにあげた違い以外はないので、ASIOドライバも使えるし、ReWire2.0での外部のソフトとの連携も可能だし、MIDIもオーディオもトラック数の制限なく利用が可能となっています。これらをどう考えるかということですね
通常の使用であればプラグインの同時使用は24もあれば十分といえるでしょう。またSONARのエフェクト自体それほどすごいものがあるわけではない一方、フリーウェアのエフェクトがかなりいっぱいあるので、それの代用でも十分といえるでしょう。また、外部のDAWと連携して使うなど、同期を使う人ならSONARをお勧めしますが、外部との同期が不要ということならば、この機能は完全にいりません。そう考えると、大半の人にとってはCakewalk Home Studio 2004で十分だということができるでしょう。
しかし、このように機能ダウンしていることがある反面、実はSONARに搭載されていない機能も持っているのも、このソフトの面白いところです。具体的にはFX PadというDXiプラグインとして入っているエフェクトです。これは二次元のパッド上でX軸、Y軸でそれぞれ異なるエフェクト・パラメーターを同時にコントロールできるというものです。マウスやジョイスティックなどの操作で独特のサウンド変化を生み出すことが可能。また、プラグイン・オーディオ・エフェクトは12個まで同時使用可能になり、エフェクトを駆使した音づくりやミキシングを行うことができるというものです。