■NUENDOとそっくりなユーザーインターフェイス
インストールにあたって、まずCubaseVSTとの違いに気づいたのはドングル。VSTの場合はプリンタポートに接続するタイプのものであり、ノートユーザーには非常に使いづらいというものでしたが、今回はUSBタイプのドングルに変わっています。
さっそく立ち上げてみると、いきなり雰囲気が違う画面が登場し、しかもアレンジウィンドウはプロジェクトウィンドウという名称に変わっています。とりあえず、デモ曲を読み込んで、全体構成を見てみると、確かにVSTの面影がないわけではありませんが、基本的にはまったく別のソフトのようにも見えます。まあ、別のソフトというよりも、NUENDOそっくりといってもいいでしょうか?NUENDOとはSteinbergのCubaseの上位に位置するDAWソフトです。
さっそく演奏させてみたところ、かなり軽快に動いてくれます。試しにパフォーマンスメーターを見ると、結構なトラック数があり、エフェクトも4つ使っているのにCPUの使用率が20%程度となっています。ちなみに、ここで使ったマシンはPentium4-1.5GHzでメモリ640MBを搭載したもの。直感的にもVSTよりも軽くなっているように感じます。
さて、そのプロジェクトウィンドウを見ると、ひとつのオーディオトラックが1つのラインではなく、複数ラインに分かれているものがあります。よく見てみると、各ラインにはボリュームやパン、コントロールチェンジなどがグラフで表示されていて、自由にオートメーション設定ができるようになっています。使ってみると、いくつでもラインを増やし、コントロールするパラメータを自由に選べるようになっていました。
ここで、このトラックのEQ画面を見てみると、これもデザインは違いますが、VSTとも似た画面が登場します。VSTの場合、EQをいじるためには、この画面を出さないとできませんでしたが、SXではミキサーでも操作できるようになりました。切り替えで、さまざまなパラメータを表示できるので、結構便利に使うことができます。このミキサー画面を見るだけでも、SXの面白さというものを感じてきます。
次にオーディオのエディット画面を開いてみると、これもVSTとは違うものですが、これがかなり使いやすくなっています。まさに波形エディットソフトそのものという感じであり、拡大していくと、サンプル単位まで見ることができ、そして、サンプル単位でエディットすることが可能となっているのです。これならかなり細かなワザが使えそうですよね。
ちょっとずつ、いじりながら、元に戻すためUNDOを実行して気づいたのが、いくらでもUNDOが可能であるということ。Historyという項目があり、ここには編集したすべての履歴が並んでいるので、それを行った場所を指定すれば、そのときの状態に完全に戻すことが可能なのです。これはかなり便利ですね。