■デジタル信号をそのまま送るデジタル入出力端子
レコーディングをする際、マイクやギター、音源モジュールなどと接続する必要があります。実はこの接続の際のレベル設定をどうするのか、端子にどんなものを使うのかというのはなかなか難しいものです。同じ端子でも入力レベルに-20dBとか-10dB、+4dBなどがあり複雑です。また端子の形状もRCAピン、PHONEジャック、XLRキヤノンなどがあり、覚えてしまえば簡単なのですが、どうもとっつきにくいものがあります。
ただ、これらはいずれもアナログ信号であり、そこにはアナログに対するある程度の専門知識が必要になってきます。
その一方で、デジタルの入出力端子というものも存在しています。これらはデジタル機器同士を接続するためにあるもので、やはりいくつかの規格があるのです。ただアナログ端子と違い、共通していえることは、ここには音質劣化がない、ということです。アナログの世界においては、レコーディング(ダビング)を繰り返すことによって音質が劣化していくのに対し、デジタル端子で接続した機器同士でのダビングではデジタル信号がそのままコピーされるため、音質はそのまま保持されるのです。
■CDやMDの接続でもお馴染みのS/PDIF光インターフェイス
そのデジタル端子の最もポピュラーなものがS/PDIFという端子です。CDプレーヤーとMDレコーダーを接続する光ファイバーケーブルを繋ぐ端子こそが、このS/PDIFなのです。
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この端子のデータの流れる方向は単方向となっており、出力と入力を光ファイバーケーブルで接続して使い、ここで流れるのはステレオのデータとなっています。アナログの世界では通常1本のケーブルでは1チャンネルのみですが、S/PDIFでは1本で2チャンネル分のデータを転送できるのです。
S/PDIFという名称で使われているものの、非常に広く使われているため、現在は国際標準規格として定められ、IEC60958という名称にもなっています。