DTM・デジタルレコーディング/レコーディング・制作ノウハウ

プロのエンジニア気分でDTMを楽しもう! フィジカルコントローラを使う(2ページ目)

画面上ではなく、物理的なフェーダーを動かしてシーケンスソフトをコントロールするフィジカルコントローラ。これが最近非常に安くなり、誰でもが楽しめるようになりました。

藤本 健

藤本 健

DTM・デジタルレコーディング ガイド

DTM(デスクトップ・ミュージック)という言葉が生まれてから20年以上が経ちました。それ以前からずっとこの分野を追ってきましたが、技術の進歩に伴いPCでできる音楽制作の幅はどんどん広がってきています。その長い経験と技術知識を元に、DTM・デジタルレコーディングのノウハウや情報を分かりやすくお伝えしていきます。

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■より感覚的にミキシング作業ができるフィジカルコントローラ

 では、どうしたらうまくミキシング作業ができるのでしょうか?
 そこで登場してくるのがフィジカルコントローラと呼ばれるものです。日本語でいえば物理的制御装置ということになるのでしょうか、つまり画面上ではなく、実際に触って動かすフェーダーのコントローラなのです。
 見た目には、まさにミキサーなのですが、これ本体にはミキサーとしての機能は持っておらず、あくまでもリモコンなのです。しかし、マウスと違い、フィジカルコントローラの場合、両手を使い、複数のフェーダーを同時に動かすこともできるので、より感覚的にミキシング作業が可能になります。また、単にボリュームのレベル調整だけでなく、イコライザやパン、エフェクトへのセンドレベルの設定などもできるので、かなり高度な作業までもできるようになるのです。
 もちろん、こうした設定の状態はすべてシーケンスソフト側に送られ、その処理はすべてそのシーケンスソフトで行われるわけです。
 実は、このようなフィジカルコントローラを用いた作業は、プロのレコーディング現場でも行われています。というよりも、最近のミキシング作業のほとんどは、大きなミキシングコンソールを用いるほうが稀になりつつあり、多くはシーケンスソフト+フィジカルコントローラで行われているのです。またこうした、フィジカルコントローラには、レコーディングボタンや再生ボタン、早送り・巻き戻しボタンなどが用意されているほか、クルクルまわすロケーションコントローラなども用意されているので、シーケンスソフトのほとんどのコントロールがこれひとつでできるようになっているのです。
 またプロ用のフィジカルコントローラでも、大きさ的にはそれほど大きくなく、たいていは16ch程度のものとなっています。ただし、価格的には数十万円から高いものでは百万円ちかいものまであり、ちょっとアマチュアユーザーには手が出せないというのが難点です。
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