レコンポーザ(略してレコポ)の最大の特徴というのは、数値入力です。今あるほとんどのMIDIシーケンサの入力はリアルタイムレコーディングであったり、キーボードからのステップ入力であったり、譜面入力であったりするわけですが、レコンポーザは数値入力をメインにしているのです。まあ、正確にいえば、数値入力だけでなくリアルタイムレコーディングも譜面入力も可能ではあるのですが、彼らがこのソフトを使う理由は数値入力にあるのです。
では、数値入力というのは、どんなものなのでしょうか? もちろん、その名のとおり、数値を入力することで、データを作成していくものです。たとえば、ドレミと4分音符で入力する場合には
NOTE ST GT VEL
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C4 480 400 60
D4 480 400 80
E4 480 400 90
というようになります。このうちNOTE、ST、GT、VELとある行は入力する数値ではなく、項目を意味しているだけですから、入力するのはC4以降です。さっぱり意味がわからない方が大半だと思いますが、簡単に説明してみましょう。
NOTEという項目にあるC4、D4、E4というのが音階を意味しています。当然Cがド、Dがレ、Eがミなわけですが、組み合わさっている4という数字はオクターブを示しています。
次のSTというのはステップタイプを意味しています。ここでは分解能480ということを前提に考えるので、480とあるのはちょうど4分音符分の長さを意味します。また、8分音符であれば240、16分音符なら120となります。さらに次のGTはゲートタイムです。これはステップタイムに対して、実際に音が出ている時間を意味します。
つまり480というのが4分音符の時間であるのに対し、普通の音符なので400という時間だけ音が出ていることになります。またこれを40とか20という小さな値にすればスタッカート、480とすれば、次の音符へつながるスラーとかタイになるわけです。
このように、数値をキーボードからカチカチ打ち込んでいくので、シーケンサの入力のことを“打ち込み”というようになっているのです。いまのリアルタイムレコーディングやマウスでのエディットと“打ち込み”という言葉のニュアンスはずいぶん違いますが、もともとのルーツはここにあったわけです。