こうしたスペックを見ると、基本的にAudigyと同等の実力を持っているといえそうです。実際、24bit/96kHzによりS/N比100dBという高級オーディオ並の高音質を実現しているほか、EAX ADVANCED HD Musicテクノロジーというものも搭載しています。これはExtigyに搭載されているDSPによって実現しているもので、従来のUSBのように単に音声の入出力をするだけでなく、音の加工が可能になっているのです。
具体的にはヒスノイズやクラッチノイズなどを低減するAudio Clean-Upというノイズリダクション機能やEAX ADVANCED HDオーディオエフェクトというリバーブやコーラスなどさまざまなエフェクトを統合した機能、さらにはタイムスケーリングといってピッチや音質をそのままに再生速度を上げたり下げたりする機能、DREAM(Dynamic Repositioning of Enhanced Audio & Music)といって、WAVファイルやMP3ファイルなど普通のオーディオファイルを3Dサラウンド化する機能などが利用できるのです。
しかも、いずれの機能も再生時にリアルタイムに使うことが可能となっているのです。
ただし、このExtigyに搭載されているDSPはAudigyに搭載されているものとも、Live!に搭載されているものとも異なります。そのため、使い勝手的にそっくりではあるものの、いくつかの相違点はあるのです。その最大のポイントがAudigyやLive!の特徴でもあるSound Fontを用いたシンセサイザ機能がないことです。
そのため、PCをサンプラー的に利用したいというニーズには応えることができないものの、単にMIDIを鳴らしたというのであれば大丈夫です。このDSPとPCのCPUの双方を利用した独自のソフトシンセが搭載されており、GM音源としては機能してくれます。