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【テクニカル情報】 mLANで何ができるのか?

IEEE1394を用いてパソコンやシンセサイザ、デジタルミキサーなどをすべて接続しようというmLAN。ヤマハが提唱しているもので、数多くのメーカーも共同で開発を進めてきました。そのmLANがついに3月1日に発売され、まずはヤマハが3つの製品を発売。このmLAN、どのようなことができるのでしょうか?

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

現在発売されているのPowerMac G4やiMAC DVではFireWireという名称で標準搭載されているIEEE1394。WindowsでもDVキャプチャボードとして数千円で数多くのIEEE1394インターフェイスが発売されています。

このIEEE1394はUSBなどと似た新世代のインターフェイス規格ですが、USBよりも非常に高速で200Mbpsや400Mbpsという転送速度を誇ります。そのためデジタルビデオのデータ転送用に用いられたり、ハードディスクとの接続に用いるなど、さまざまな使われ方をしています。

そのIEEE1394にMIDIやオーディオのデータを流すというのがmLANです。現在レコーディングスタジオなどで機材の配線は非常に複雑になっていますが、このmLANを利用すれば、電源以外のすべての配線をIEEE1394ケーブル1本でできてしまうというとても便利なものです。

現在の規格においては1本のケーブルでMIDIを16ポート=256チャンネル分、オーディオを16トラック分同時に送れるようになっています。またオーディオは24ビット/44.1kHzまたは48kHzのフォーマットで転送できるため、アナログでの接続と比較しても断然高品質のサウンドでやりとりできるわけです。また、USBなどと違い、高速でのデータ転送が行われるためレイテンシー(音の遅れ)も5msec以下になるようです。

実はこのmLANの構想が発表されたのはもう3年以上前のことになります。さまざまな展示会で、もうまもなくリリースされると展示されていたものの、なかなか製品化されなかったのです。その背景にはIEEE1394の互換性やチップセットの規格変更などが相次いだためのようで、かなり開発に苦労していたようなのです。

実際、これまでWindowsを使ったデモがされていましたが、Windowsの場合標準的なIEEE1394インターフェイスが存在しなかったり、パソコン本体の規格もマチマチであり、いまだシステムが安定していないようです。結果として最初にリリースされる製品はPower Mac G3/G4およびiMac DVのみに対応(PowerBookは非対応)ということのようです。

最初に出る製品のラインナップについてはヤマハのmLANのページを参照していただきたのですが、まずは3つ登場しました。すでにコルグもTrinty用のmLANカードを、オタリもmLAN対応製品を開発していることをアナウンスしており、ヤマハ製品に続き発売されるものと思われます。

ただ、このようにまだ安定していないことを考えると、まだ一般ユーザーが手を出すものではないようです。今後どのような製品が発表され、どう広がっていくのか1年程度は見守っていきたいところです。
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