あらすじ
奥州五十四郡を統括する大名・足利頼兼は、執権・仁木弾正の陰謀により、遊郭通いの放蕩ぶりが原因となって隠居させられた。当主・鶴千代はまだ幼く、頼兼の伯父・大江鬼貫や弾正らに命を狙われている。
鶴千代の乳人・政岡は息子千松以外の男をそばに近づけないようにしているが、弾正の妹・八汐の陰謀で、政岡本人に、忍びの者を使い鶴千代を殺そうとしたという疑いがかかる。だが鶴千代本人が政岡をかばって事なきを得た。
城内で作られる食事は、とても鶴千代に食べさせることはできない。どこで誰が毒を盛るか分らないからだ。政岡は自ら、ご飯を炊いて鶴千代と千松に食べさせる。
そこへ幕府の重臣である管領職の山名宗全の妻・栄御前と八汐がやってきて、菓子をすすめるが、千松が一つ口にして即座に菓子箱をひっくり返してしまう。陰謀が明らかになることを恐れた八汐は、無礼を理由に千松をなぶり殺しにする。