印象的な台詞も多い。
「りんにょがってこれめせや」
南海の娘のいわば方言。かわいがってくださいな。
「鬼界ヶ島に鬼はなく、鬼は都にありけるぞや」
千鳥を船に乗せまいとする瀬尾に対しての台詞。
「思い切っても凡夫心」
おおい、おおいと叫ぶ俊寛。船に乗らないことを決意したはずなのに、と語る義太夫。
原作の最後には、あの怪僧・文覚上人が出てくる。『平家物語』で源頼朝に挙兵を促したとされるあの僧である。そして源氏再興の夢を見るらしい。俊寛の無念と清盛への怨念が文覚に見させた夢ではないか、と想像力だけが膨らんでいく。
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