さらに。
・これは推測でしかないが、こうやって舞台の上から、真横から客が観ていることが、この舞台に立つ役者、大道具、狂言作者、黒御簾、竹本の人達に何らかの影響を与えるのではないだろうかということだ。
観られるのは慣れっこの人々でも、あの位置から、幕間でも観られているのはそうそうあることではないはず。
舞台の表と裏に、ふだんとはちょっと違う緊張感が生まれれば、芝居はまたぐっと面白いものになるのではないか。
役者達が幕の裏で素に戻って次の準備をしている様子が、立ち働く大道具さんたちの息のあった仕事振りが、とにかく本舞台のドラマに負けないくらい面白いということだ。
表も裏も合わせて歌舞伎。
いや、今回はあえて、裏も見せちゃって、かつ、面白いのが歌舞伎のすごいところと改めて感じた。
いやはや参った。
幕間がそんなわけで楽しいのでなかなかトイレに立てないのである(涙)。
歌舞伎を初めて観る人にはあえておすすめはしない。
が「歌舞伎見物もちょっと最近マンネリで・・・」なんていう人には、この席は絶対オススメだ。
(今回の平成中村座公演では既に入手困難だが、次の機会にはぜひ!)
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