「次の世代の役者たちに渡していくもの」今回、右近さんが力強く語ったのは、この作品のもう一つのテーマ、「原点回帰」ということだ。「今回の作品は、二十一世紀歌舞伎組のスタート当初の僕ら自身を思い出させてくれるんです。歌舞伎の門閥出身ではないけれど、歌舞伎を愛する気持ちはだれにも負けないと、市川猿之助という師匠の下、気持ちを一つに集まった僕らをね。稽古を重ねていくと、そういった情熱と気持ちが、梁山泊に集まってきた個性的な男たちの思いに、次第に重なってくるんですよ」123次のページへ