歌舞伎/歌舞伎関連情報

俊寛ってどんなドラマ?2(3ページ目)

今月は、国立劇場で松本幸四郎、新橋演舞場で中村勘三郎が『俊寛』をつとめています。上演される頻度の高いこの『俊寛』。いったいどんなドラマなのでしょう。

執筆者:五十川 晶子

●名セリフも楽しもう。

『俊寛』では名セリフも数多く楽しめます。
いくつかご紹介しましょう。

「りんにょがってこれめせや」
(南海の娘のいわば方言。かわいがってくださいな。)

「鬼界ヶ島に鬼はなく、鬼は都にありけるぞや」
(千鳥を船に乗せまいとする瀬尾に対しての台詞。)

「思い切っても凡夫心」 
(おおい、おおいと叫ぶ俊寛。船に乗らないことを決意したはずなのに、と語る義太夫。)


10月は2劇場で競演。



原作の最後には、あの怪僧・文覚上人が出てきます。『平家物語』で源頼朝に挙兵を促したとされるあの僧です。そして文覚上人は源氏再興の夢を見るらしいのです。

俊寛の無念と清盛への怨念が文覚に見させた夢ではないか、と想像力だけが膨らんでしまいます。

そしてぜひ、この文覚上人が登場する一幕も歌舞伎の舞台で観てみたいものです。
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