襲名披露でいっそう華やかなお正月
お正月こそ歌舞伎。劇場全体の飾り付けはこれぞお正月!とめでたくも豪華です。和装の客も多いし、演目もにぎやかなものが多く、初めて歌舞伎を観るという人も、逆に気後れせずに楽しめそう。この冬、東京で楽しめる歌舞伎をご紹介します。
●一月歌舞伎座「寿初春大歌舞伎」
ただでさえ、お正月らしさを満喫できる1月の歌舞伎座ですが、2006年はさらにゴージャス! 上方歌舞伎の大名跡「坂田藤十郎」の襲名披露興行があります。三代目中村鴈治郎が江戸・元禄の上方役者の名跡を、このほどめでたく襲名。その披露にあわせた演目が並びます。
『曽根崎心中』いわずとしれた近松門左衛門の原作を近代になってから改作したものです。お初と徳兵衛のしっとり(じっとり?)した恋と情熱が、藤十郎の素足から伝わってきます。あとは舞台を観てのお楽しみ。
『夕霧名残の正月』 初代藤十郎が大当りをとったのがこの演目のヒーロー伊左衛門。傾城夕霧の死を悲しんでいると、伊左衛門の目の前に夕霧が現れます。ほんのりうっとり、蕩けるような美しい一幕です。
『藤十郎の恋』 初代藤十郎をモデルとした菊池寛作の新歌舞伎。役作りのために人妻に恋をしかけますが、その人妻の方は・・・。
『伽羅先代萩』 江戸時代の御家騒動をテーマとした演目。幼君鶴千代の命を狙う仁木弾正ら一味に対し、乳人の政岡が必死で守ります。ですが政岡の子・千松が犠牲となり鶴千代の命を救います。一方、仁木弾正は荒獅子男之助に追われながらも鼠の妖術を使いながら姿を消しますが・・・。