●セリフが難しくて聞き取れない→ 楽する方法、あります。
「時代劇ならいざしらず、どうも堅苦しくて聞き取れない」「言っている言葉の意味が分からない」「出てくる人物名を知らないし」・・・これも「慣れですよ」といってしまえばそれまでだが、ちょっと楽する方法はあります。
イヤホンガイド・・・劇場で貸し出ししている入門者お助けツール。セリフがはっきり聴こえるし、舞台の解説やセリフの意味など、親切に解説してくれる。(ただ、舞台で演じている内容とガイドの内容に微妙に温度差が生じると、妙なところで笑いがきたりして、イヤホンガイドをつけてない客と明らかに違う反応があることも)。
劇場で売っている筋書きや、演目解説本などをちょっとでも読んでおく。
これ、面倒なり。でも、結局一番ストーリーが頭に入ります。
●顔と名前が一致しない
「主役を張っている役者なら分かる。でも、その周囲に居る役者さんたちの顔と名前が一致しない!」 そうですよね。立ち回りなどでカッコよく宙返りを決めている役者が大勢いるのに、よく分からないままお芝居が終わったらちょっと悲しい。
筋書きや『歌舞伎手帖』(日本俳優協会他 編)には、出演する役者の顔と名前がすべて掲載されている。ただ舞台での動きが早くて、写真と舞台を一致させるのは結構大変。掲載されている写真も最近のものばかりとは限らないので、ますます「あれが、・・この人かなあ?」と確信がもてないままだったりする。
もうそうなったら、あきらめて、来月も歌舞伎を観ましょう(苦しい展開)。
400年の歴史を持つ歌舞伎です。1日観ただけじゃもったいない。そして、2度目に観たとき、いろいろなことが急激にストンと分かるようになったりする。
ストーリーとか、その土台となる歴史のお話はよく分からないけど、「あの、あそこのシーンで出てきたあの役者の声がすごく好き!」とか、「あそこで出てきた遊女の気持ち、何故だか私にはよく分かる」とか、「三味線のことはよく知らないけど、あそこで主人公が心変わりしたとき、バックに流れたおめでたそうな音楽とのギャップがカッコイイ」(→これ、結構よくあります)などなど、自分だけのお気に入りシーン、お気に入り役者、お気に入り音楽などが、次第に具体的に見つかるはず。
そうなれば、自然に、より深く詳しく知りたくなるはず。「お勉強」モードになるのはそれからで全然遅くないのだ。
まずは2度観て、自分なりの「ストン」の瞬間を見つけよう。
この続きは「その2」をご覧ください。
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