このページでもおなじみの舞台創造研究所の歌舞伎普及活動の一環としての小芝居復活の公演活動。またまた二月から三月、東京日本橋劇場を皮切りに全国を巡演する。
歌舞伎フォーラム公演
第一部 歌舞伎の美
解説 澤村国矢
実演 中村又之助
歌舞伎の舞台裏を観客と一緒に体験し、楽しむ企画。
第二部『弥作の鎌腹』
弥作 嵐橘三郎
角兵衛 中村扇乃丞
七太夫 中村又之助
弥八 尾上緑三郎
和助 澤村国矢
おか代 嵐徳江
忠臣蔵の外伝の一つ。萱野和助と百姓・兄弥作の余話。百姓ながらに腹を切る矢作達個性的な男達の人間模様。二世市川猿之助や初代中村吉右衛門も演じたという。
第三部 『日高川』
清姫 中村扇乃丞
人形遣い 中村又之助
船頭 尾上緑三郎
人形遣い 澤村国矢
人形ぶり上演は東京では初めてだとか。安珍を慕う清姫。でも安珍は許婚と二人で日高・道成寺に落ちていき、清姫は二人を追いかける。
製作記者発表には、出演者の嵐橘三郎さん(右から二人目)、中村扇乃丞(右)さん、中村又之助さん(左から二人目)、澤村国矢さん(左)も出席した。演出は歌舞伎フォーラム小芝居復活にの牽引役、兼元末次さんだ(中央)。
大歌舞伎にはない小芝居独特の、ちょっと濃い、ちょっぴりオーバーアクションな、喜怒哀楽がはっきりしていて、何より観客が求めている感動にとても貪欲な、そんな小芝居の特色をどんな風に見せてくれるのか、出演者はこんな風に語ってくれた。
橘三郎さん
「三重出身なので大坂の言葉で今回やらしていただきます。東京から観ると上方の芝居は味のある、こってりしている、プラスアルファがあり、幅の広い、余裕のある演技を要求される芝居だと思います。この『弥作の鎌腹』には喜怒哀楽がうまく入っていており、お客様にも分かりやすい内容になっていて、そのへんをうまく出して行こうとおもってます」
扇乃丞さん
「歌舞伎フォーラムにいらっしゃるお客様というのは、きっかけがなかなかなくて大劇場にいらしたことのない方が多いのじゃないかと思うのですが、歌舞伎って分かりやすくて誰にでも楽しめる親しみやすいものなんだと思ってほしいですね。初めての人形ぶりですが、素朴な振りで精一杯勤めさせていただきたいと思います」
又之助さん
「今まで歌舞伎フォーラムでは『大石妻子別れ』から『大石東下り』まで、何度か大石をさせていただいてます。今回私が演じる七太夫は本来は白髪頭らしいのですが、今回は中年の端敵・三枚目というところらしいので、少しオーバーな演技で務めさせていただきたいと思います」
国矢さん
「今までには『大石東下り』をさせていただいています。大歌舞伎にはない小芝居の面白さを感じました。今回も台本を読んで、これは面白いなと感じまして、どうも六段目の勘平のようなところがあるように思います。僕は弥作の兄という役どころですが、弥作とは実に対照的な兄弟なんです。みなさんに教えていただきながら務めさせていただきたいと思います」
出演者プロフィール(記者発表資料より)
嵐橘三郎(あらしきつさぶろう)
昭和38年坂東鶴之助に入門。国立劇場「大江山」の夜叉童子で奨励賞。昭和52年10月新橋演舞場「石切梶原」の奴菊平他で六世嵐橘三郎を襲名。海外公演にも参加。平成13年真山助演賞など。
中村扇乃丞(なかむらせんのじょう)
昭和37年生まれ。演出家高瀬精一郎の次男。祖父は前進座の坂東調右衛門。昭和59年中村鴈治郎に入門。60年6月国立劇場で扇乃丞と改名。平成7年名題昇進。平成13年上方歌舞伎会「車引き」の桜丸で十三夜会奨励賞。
中村又之助(なかむらまたのすけ)
昭和61年国立劇場第8期歌舞伎俳優研修終了。中村又五郎に入門。平成11年6月名題昇進。真山青果賞、国立劇場特別賞など。
尾上緑三郎(おのえろくさぶろう)
昭和20年地方劇団加入。昭和30年菊五郎劇団加入。昭和50年名題適任証取得。昭和47年5月国立劇場奨励賞。平成7年1月国立劇場特別賞。
澤村国矢(さわむらくにや)
平成4年まで劇団東俳、音羽グループ所属。昭和63年歌舞伎座「義経千本桜」の小狐で初舞台。平成7年1月国立劇場特別賞。
嵐徳江(あらしとくえ)
平成10年国立劇場第14期歌舞伎俳優研修終了。同年5月「外郎売」の新造で初舞台。同年11月大坂松竹座「一条大蔵譚」の腰元ほかで徳江を名乗る。
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