「ラブハロ!矢口真里」写真集・DVD(2500/3800円)
総合評価☆☆☆☆☆
前作の「矢口真里写真集」から約一年。前作とは雰囲気の全くことなった写真集「ラブハロ!矢口真里」を発売した。メンバーの中でも加護とともに人気の高い矢口真里の水着ベースの写真集ということもあり発売からしばらくたった現在でも人気は健在のようで、DVDは入手まで3店舗かかった。
前作ではカラフルでコミカルな元気いっぱいの矢口で一般的な矢口真里のイメージそのままの写真集であったが、今回の写真集は「笑い」の表情のカットが数点しかないもので、雰囲気はグッとアダルトなテイスト。また、前作はテープを素肌に巻きつけるようなハッとさせるカットはあったもののカジュアルな衣服や制服のショットなどが中心だったが、今回の「ラブハロ!矢口真里」はビキニ姿がベースの露出度の高い作品となっているところに特徴がある。20歳になった矢口がみせる大人の表情は、購入の価値ありだ。
貴金属で装飾された黄金のビキニ姿、黒のビキニ姿、背中のラインが見えるように工夫された紐上の衣服、水色のビキニ姿、白の花付ビキニ、海岸でのオレンジのビキニとバリエーション豊かな水着がうれしい。背中のラインが見える衣装での、見事に割れた後背筋の美しさ、脂質の少なそうなタフな肉体と最初の1,2ページ目にあるモノクロ写真の矢口とは思えない大人の表情が印象に残った。
角川から出されている一連のハロプロの写真集はDVDも同時に発売されているわけだが、今回の矢口真里のDVDは20歳の記念ということでベトナムの町を満喫することをコンセプトにあちこちと歩き回る。松浦亜弥の場合もそうだったが、そんじょそこらのプレアイドルとはちがうわよ!と言わんばかりのレポーター能力の高さが際立つ。ベトナムの現地の人々の服装や、慣習、天候など的確にとらえ、自分の言葉でテンポよく語っている。ラジオ、オールナイトニッポンで単独でパーソナリティーをこなすわけだから、当たり前なのだろうが、デビュー当時のASAYANでの登場のシーンの恥ずかしそうなコメント具合が脳裏に焼き付いている一視聴者としては、その成長ぶりにあらためて感心する。
しかしながら現地の仕立て屋工房で、バストのサイズを測られている時にカメラを手でさえぎるあたりは、未だにその恥じらいを垣間見ることができる。水着のシーンではビキニ、ジーンズの短パンで浜辺を闊歩する。このシーンでは水上スクーターに乗るのだが、現地のおじさんのあまりにも豪快な運転で矢口は水しぶきで全身びしょ濡れ。振り落とされそうになるくらいの恐怖に陥れられる。スクーターから降りた矢口はもう二度と乗りたくない、と滅多にみることが出来ない泣き顔で語る。
また、心情を吐露するシーンでは、「大人になろうとおもっても急にはなれない。30歳になったときに素敵な女性でありたい。」、「メンバーにはチビッコチームが増えたので、おねえさんチームはしっかりしなければいけない」など悩める原寸大の20歳の女の子も見て取れる。今回のDVDはもちろん矢口真里のDVDなのだが、サブタイトルをつけるとすれば、「矢口真里と行くベトナムの歩き方」といえるくらいベトナムの観光地の魅力を引き出している。余計なお世話だろうが、ベトナムの観光協会あたりからパブリシティの広告費をもらってもいいくらい。ベトナム以外にもタイや中国、北欧とシリーズしてくれてもいいなと思った。また、買い物のシーンで撮影スタッフに何かにつけて、「これいいでしょ」、「この色いいよね」と同意を求めるところは、自分が矢口といっしょにベトナムを旅行しているようなトリップを味わえるだろう。以前、秋元康が小泉孝太郎に何かの番組で、スタッフサイドが一度仕事をして、「このタレントともう一度仕事がしたいね」と思ってもらうことが大事であると述べていたが、矢口と同行した今回のスタッフは二日間とはいえ、いい思い出になったのではなかろうか。
今後、矢口が一人で芸能活動を行うとしても好感をもつスタッフは多そうなので、安心だ。と要らぬ老婆心を持ってしまったがシーンごとのメリハリがしっかりしており、水着シーンもアップからひき画面までバランスよく、ベトナムの風景がきれいに、また興味深く鑑賞することができるので、お勧めです。
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