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石原さとみファースト写真集

ホリプロスカウトキャラバンの2002年グランプリを獲得した石原さとみの記念すべきファースト写真集。

執筆者:小島 聡




石原さとみファースト写真集 2000円 文藝春秋社

  総合評価☆☆☆☆★
  
ホリプロスカウトキャラバンの2002年グランプリを獲得した石原さとみの記念すべきファースト写真集。石原さとみは、榊原郁恵、山瀬まみ、深田恭子などを輩出した歴史あるホリプロスカウトキャラバンのグランプリ受賞者。さすがにホリプロスカウトキャラバンのグランプリ受賞者だけあって昨年受賞した新人でありながらも各方面で話題となった「j-phone」のCM、NHKドラマ「窓を開けたら」、菅原文太氏との共演の映画「わたしのグランパ」、ファースト写真集の出版など受賞から一年も経たないうちに大きな仕事が目白押し。

とくに映画「わたしのグランパ」でのヒロイン役への抜擢は興味深い。2002年6月に発刊された筒井康隆氏の同タイトル作品が原作であるが、筒井氏の作品と映画の関係でいうとやはり「時をかける少女」で抜擢された原田知世。筒井氏の少女の視点を題材にしたいくつかの作品は感情描写などに定評があり、原田知世は角川映画大型新人募集で特別賞を受賞後、思春期の微妙な心情をこの作品で表現。自らがうたう主題歌のせつない歌声と共に、圧倒的な存在感をこの作品で披露した。今回の原作にはSFテイストは無いようなので、なおのこと演じる役者には心理描写の表現力が要求される。「時をかける少女」と原田知世出現のインパクトを鑑みるに、「私のグランパ」でのヒロイン役の抜擢というのは、非常に大きな一歩になることも期待できる。スカウトキャラバンでのテーマが「ピュアガール」ということともあいまって、純情そうな石原さとみの雰囲気や表情が原田知世を彷彿とさせる。

写真集はChapter1根本好伸氏、Chapter2熊谷貢氏、Chapter3原田達夫氏という三人の写真家による章立てとなっている。Chapter1では海岸で躍動する赤の短パン姿、ピシッと折り目のはっきりした襟と白いシャツがすがすがしい夏のセーラー服。スカウトキャラバンの発表前にメディアの記者などは石原さとみできまりだと囁かれたというが、この写真を見るとうなずける。ピュアガールだ。そのほか、和風家屋、畳のある部屋、イワナが釣れそうな渓流&森林での短パンジーンズ姿など初夏、清涼が伝わる。Chapter2では一面銀世界の雪原で白を基調とした衣装、セーター姿、など冬と雪と白の世界。Chapter3ではモノクロの写真で「わたしのグランパ」の撮影風景を撮っている。東陽一監督の指示を真剣に聞く姿、共演の浅野忠信氏とワイングラスを囲む姿、菅原文太氏との2shotシーンなどを収録。chapter3つの後には、スカウトキャラバン応募前の写真の数々、本選出場前の大島合宿、スカウトキャラバン本選の様子、CM撮影の様子などが本人のコメントとともに収めてある。ホリプロの次世代を担うヒロインの一人であり、今後の活躍が期待される石原さとみの記念すべきファースト写真集は初々しく、Pureな一冊。
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