寅さん流 心の健康のためのキーワード
海外ファンにも人気が高い作品が、『男はつらいよ 知床旅情』(1987年)三船敏郎、竹下景子が登場。 |
寅さんの魅力と、寅さん映画が愛され続けた理由を、キーワードにして並べてみました。
楽しむ
寅さんは、楽しいことが大好き。寅さんの周りには、喧嘩が起こることもあるけど、笑いの風景のほうが目立ちます。毎日を楽しむことは、精神の健康にとってとっても大切ですよね。
嘘をつかない
48作の中で、寅さんが嘘をついたことは滅多にありません。寅さんが口を開くのは、本当のことを言うとき。相手にどう思われるかは、頭にないのです。自分に嘘をついちゃうところは多々ありますが。
優しさ
寅さんシリーズは、人情喜劇の代表作。みんな口ではいろいろなことを言っても、喧嘩をしても、心の底には、お互いいたわりあう優しさがあるのが、日本の人情。表面的な優しさとは違うのです。何を言っても信頼しつづけられる相手は、家族。とらやの茶の間に、訪ねてきた人はみんな、温かさに感動してしまいます。
しあわせ
寅さんは、周りを幸せにするし、本人もいたって幸せです。何があっても、失恋しても、自分をしあわせにする方法を知っているので、大丈夫。とらさんには、世間一般的な幸福とは無縁。だからこそ、普通の人のしあわせに、必要不可欠なものは何なのかがわかるんだと思うのです。
人間らしさ
人間だから、ヘマも失敗もします。思うように行かないこともあるし、泣く時だってある。寅さんを見ていると、寅さん映画に出てくる人だけでなく、自分や自分の周りの人を愛しく感じるたりするってことありませんか? 立派な人じゃなくても、人間的でも、それは素晴しいことなのかもしれません。
恋
寅さん映画を見ていると、人間の生活にとって必要なものは、お金よりも家よりも仕事よりも、「恋」なんじゃないかな、と思うことがあります。誰かを大切に思う心。周りを大切に思う心も、「恋」から始まるのかもしれません。最近、恋をしてますか?
故郷
家族や故郷は、安心と同じ意味を持っているのでは? 寅さんシリーズを見ると考えてしまいます。寅さんは、故郷はあっても、滅多に帰りません。わたしたちの大多数もそうですよね。でも、故郷は、いつもそこにあるから、安心して、遠くまで冒険しに行くことができるのです。
寅さんシリーズは、日本人の心のふるさとを描いているように感じます。普段は、意識しなくても、見れば心が温まり、ホッとして、癒される。そういう映画ではないでしょうか。今後も愛され続けることは間違いないと思います。
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