お笑い専門用語解説! この言葉の意味わかりますか?
お笑い専門用語解説
大体の場合、その言葉を何度も繰り返し聴いているうちに、何となく判ったような気になれるものの、正確な意味を聞かれた時には、ふと困ってしまうんじゃないでしょうか。そんなあなたのために、“今さら訊けない”専門用語を、限られたスペースの中で幾つか解説させていただきます。
こうした言葉を完全にマスターして、友達同士の会話の中で使ったら…、たぶんものすごくウザがられるとは思いますが(笑)、芸人トークをより深く楽しむためのガイドになれば嬉しいです。
一応、五十音順にならべてみました。
・色物(いろもの):主流、本流じゃない芸という意味で使われる言葉ですが、時代や地域によってその範囲は大きく異なります。例えば新宿末廣亭、鈴本演芸場など東京の寄席では、落語以外の芸はすべて色物です。ところが、大阪など漫才中心の演芸場では、漫才以外が色物と呼ばれます。そういうアイマイな言葉なんで、今は冗談半分の悪口に使われるんでしょうね。・大ケガ:大やけどとも言われます。受けを狙って繰り出したネタが、見事なまでにカラ振りした時に使われる用語。一見、非難やからかいの言葉のようですが、そのツッコミを入れることで、うまく笑いに変えるといったフォローの目的があります。ちなみに、そのトバッチリが周囲に飛び火した場合、二次災害と最近は呼ぶようです(笑)。
・楽屋落ち:こうした専門用語も含め、仲間内にしか通じないネタのこと。以前は非難されたり、前もって断ったうえで話したりしてましたが、「すべらない話」をはじめ、ほとんどのネタが楽屋落ち化したいま、死語に近いものになってしまいました。言ってみれば、日本中が大きな楽屋になったようなもので、専門用語解説が必要ではと思った次第です。
・逆ギレ:怒り出す正当性のない人間がキレること。「ガキの使いやあらへんで!!」の中で、松本人志が自身で考えた造語だと発言している。おそらく縦横無尽にツッコミを駆使する浜ちゃんに対して、うまく当てはまる表現を捜し求めた結果、生まれたのでは。
・緊張の(と)緩和:おそらくプロの芸人のほとんどが知っている笑いの理論。故桂枝雀が提唱したもので、観客を一時的に緊張させた後、一気に緩和させることで笑いが生まれるというもの。本来は「緊張の緩和」だが、「緊張と緩和」と言う者も少なくない。ただし、意味合いはほとんど変わらない。
・出オチ:顔が面白いとか、奇抜なスタイルで登場するとかの見た目により、舞台に出てきただけで笑いが生じること。おもに、ネガティブな意味で使われるのは、それ以降に笑いが続かないことが多いため。そこから大きな笑いに繋がる場合は「ツカミ」と呼ばれて、評価されます。
・てんどん:「かぶせ」とも呼ばれる。同じボケを2度続けることで笑いをとる手法。由来は、天丼に海老が2本乗っているところから、と言われるものの、いまいち説得力に欠ける感も。私見ですが「てん」「どん」と、擬音で二段構えを表現したんじゃないでしょうか?
・ネタ見せ:1.漫才やコントなどの芸を披露する番組の構成。2.その番組やライブに出演するためのオーディションのこと。手見せとも呼ぶ。合わせると「ネタ見せ番組のネタ見せ」となり、かなり意味不明になってしまう。
・編集点:これも、厳密には2つの違った意味で使われる言葉。テレビで芸人が使う場合は、喋りを噛んでしまい、編集でカットしてもらうために一拍開ける間のことを指す。ただ、実際に編集するスタッフの側では真逆で、ここは編集に生かそうという箇所のことをそう呼びます。ややこしや~。
もちろん、このほかにも専門用語は膨大にあります。こうした用語を駆使することで、トークに臨場感や勢いが出てくることはよく判りますが、これ以上沢山出てくるようだと、年配の方を中心に、トークの内容がさっぱり理解できなくなってしまう危険も考えられます。今後はメリットとデメリットの両面を考えながら、専門用語を使ってもらいたいものですね。
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