ゴールデンタイムにヌード!!
『TBS 水曜劇場の時間ですよ』(Sony Music Direct) 『時間ですよ』をはじめ、「水曜劇場」から生まれたヒット曲を網羅しています |
この時は2クールの半年をもって一旦終了するも、1年のブランクを経て、71年7月に第2シリーズがスタート(この時からカラーに)。以降も頻繁に連続ドラマや、スペシャルドラマとして制作され、「おかみさ~ん、時間ですよ~」の名フレーズは、時代を超えて日本中に浸透したのでした。
個性的な出演陣
このドラマで日本を代表するおかみさんとなった森光子は、他のレギュラーメンバーが入れ替わる中、一貫してシリーズを支えてきました。そのおかみさんの尻に敷かれっぱなしの「だんなさん」は、シリーズごとにベテラン俳優が演じてきました。日曜劇場では先代の中村勘三郎が。連続ドラマとなってからは船越英二が、どこか頼りな気な亭主役を好演しています。こうした中心メンバーだけでなく、銭湯の客という脇役にも個性的な出演陣を配したところに『時間ですよ』の独自性が息づいています。隙あらば女湯を覗こうとする助平な平さんに江戸屋猫八、銭湯に来てまでケンカの絶えない夫婦に正司敏江・玲児、「総理」のあだ名で親しまれている田中角栄のそっくりさん、豊原泰三などなど。なんてことのないシーンでも見逃せないのが『時間ですよ』であり、久世ドラマでした。
ドラマ主題歌のヒットは、それまでにも多くの前例がありましたが、『時間ですよ』の場合、ドラマ内で歌われる挿入歌が次々とヒットしました。堺正章の『街の灯』、天地真理の『恋は水色』、浅田美代子の『赤い風船』など。変わったところでは、74年に放送された『時間ですよ・昭和元年』の挿入歌、さくらと一郎の『昭和枯れすすき』というのもありました。
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