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意外と知らない「タイアップ」の世界(2ページ目)

半世紀を越える民放の歴史は、同時にテレビCMの歴史でもあります。しかし、その陰に隠れながらも同じ時を重ねてきたのが「タイアップ・パブリシティ」です。その知られざる歴史を、かけ足ながら辿っていきます。

広川 峯啓

執筆者:広川 峯啓

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ある意味、大らかだったテレビ創成期

 
今も一社提供だったら、磯野家はケータイ使ってた?(対訳サザエさん1)
この

テレビ放送が開始された直後は、今と違って、CMと番組は完全に分離していませんでした。ミステリドラマの元祖といわれる「日真名氏飛び出す」(現・TBS)では、番組の中で毎回ドラッグストアへ立ち寄り、スポンサーの三共製薬が売り出すビタミン剤を飲みながら、事件を推理するシーンが挿入されました。

昭和34年に放送開始した大村崑主演のコメディ「とんま天狗」(読売)の本名は、スポンサーの大塚製薬の看板商品と同じ、尾呂内南公(オロナインナンコウ)。こうした関西発のコメディは、製薬会社がスポンサーに付くものが多く、ほとんどが番組内に商品を登場させていました。

なぜか子供番組はタイアップの宝庫


その後、放送法の改正などもあり、番組とCMは完全分離が原則に。しかしなぜか、漫画や特撮などの子供向け番組では、番組内でのタイアップが盛んになってきました。

タイトルだけを見ても、そのものズバリの「ナショナルキッド」(現・テレ朝)「ハリスの旋風」(フジ)、スポンサーの藤沢製薬から一文字取った「風のフジ丸」(現・テレ朝)などフツーに放送されていました。あと、東芝の一社提供だった時代の「サザエさん」は、磯野家の家電が常に新製品でした。

さり気ないタイアップの登場


こうした露骨な番組内宣伝は徐々に薄れていきましたが、それと前後して増えてきたのが、ちょっと目には気付きにくい、いわゆる「潜在的タイアップ」でした。気付かれにくい宣伝というと矛盾してるようですが、継続して放送する事によって、知らず知らずのうちに意識するようになるという説もあります。

こうしたタイアップは、商品の魅力やリーズナブルな点をこれでもかと強調するCMとは違い、商品がクローズアップされることはあっても、一々詳しく紹介される事はまずあり得ません。あくまでも、さり気なくアピール。これこそが「潜在的タイアップ」の鉄則なんです。

この辺で実例を挙げた方がいいかと思うのですが、何しろ「潜在的」なうえ、資料も残されていないため、過去の番組については中々具体例を挙げにくく……。という訳で、現在放送中の人気番組の中からいくつか紹介していきます。

えっ、あの番組もタイアップ!?
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