そして2002年『ガイズ&ドールズ』のネイサン。再演希望の声の高かったこの作品で、上級生を飛び越えての二番手のポジション。それもヒゲを付けたキザな大人の男役。演技の幅を広げました。
同年、宝塚歌劇団生徒では初めての「第18回浅草芸能大賞」新人賞を受賞しました。
宙組に組替え後も、三番手または二番手として活躍します。
まずは星組『雨に唄えば』に特別出演し、二枚目半のコズモ役を爽やかに好演。
『THE LAST PARTY』、『不滅の恋人たちへ』、『コパカバーナ』、『ホテル ステラマリス』(全国ツアー)のアレンなど、これまでにない色の役を次々と演じ、“キラキラなアイドル”だけではない、色気のあるイイ男、大和悠河を見せてくれました。
『A/L』 (C)宝塚クリエイティブアーツ |
「いつか必ずトップになる…」誰もがそう思っていた日は2007年にやってきます。シアタードラマシティ『A/L』、大劇場『バレンシアの熱い花』『宙FANTASISTA!』でトップお披露目。若く新しい宙組の誕生。
その後も……轟 悠さん演じる白洲次郎に対抗できるカッコよさを出したダグラス・マッカーサー。
今度は主役。軽快な雨の名シーンも鮮やかだったドン。
コスチュームで誤魔化せないから意外に難しい現代物も、大和さんならではの純粋な熱さで楽しませてくれたスチュアート。
黒髪も似合い、包容力のあったアンドレ。
そしてスーツ姿がカッコよかった最後の役。若い頃と大人になってからを上手く演じ分け、背中に哀愁が漂ったジャスティン。
ショーでの女役も多く楽しませてくれましたね。
『ロマンチカ'04』赤い髪のサチュロスやラインダンスの場面の黒のタコ足ダルマ姿。
『テンプテーション!』での峰不二子ちゃんバリのペネロペ。
どれもキュートでセクシー。
立ち姿が美しい。スタイル抜群。だからどんな衣装も似合いますが、白い軍服や白いブラウスがこれほど似合う人もいないでしょう。
いつまでも、トップになってからも、輝きや若さは変わらない…。
ウインクも投げキッスも、髪を両手でかきあげたりネクタイをがばっとくずすしぐさも全部、ヤマト流。
どんなに荒々しい男の役でも、影のある役や大人の役でも、どこか母性本能をくすぐるような青さが滲み出る……。そこもヤマトの魅力。
最後の大階段を、緑の袴ではなく男役の正装である黒燕尾を選んだのもヤマトのスタイル。
早くからスター街道を走って来ました。どんなに努力をしても現在の実力以上のものを期待され、苦しみやもどかしさはあったに違いありません。
でもそうした苦労を感じさせることは全くなく、いつも明るくて楽しそうで自由に見える……。大らかに育った大型のスター。
煌き続けた永遠のプリンス、大和悠河。