宝塚ファン/宝塚歌劇団 トップスターの変遷

宙組トップ・大和悠河、陽月 華―退団(5ページ目)

2009年7月5日――宙組トップスター・大和悠河さん、娘役トップスター・陽月 華さんが、宝塚歌劇団を卒業しました。ひたすら美しく華のあるトップコンビでした。

桜木 星子

執筆者:桜木 星子

宝塚ファンガイド

順風満帆のように思える陽月さんの宝塚人生ですが、大きなアクシデントに見舞われます。稽古中に骨折をし、次の本公演『黎明の風』『Passion 愛の旅』と特別公演『雨に唄えば』を休演することに。
休演をする…。しかもトップ娘役として始まったばかりの時期にこんなに長い期間…。この辛さは相当なものだったことでしょう。
『Paradise Prince』
(C)宝塚クリエイティブアーツ

だからこそか、復帰1作目『Paradise Prince』でのキャサリンは、舞台に立つ楽しさがこちらにまで伝わってきました。
最後の役『薔薇に降る雨』のイヴェットは、貴族令嬢の上品さ、強がってはいるけれど本当は素直に弱い女を表現。
芝居をしている時の陽月さんには、いつも優しさが漂っていました。感受性と心の豊かな人。

ダンスが上手く、しなやかな体の表現力は最高。
エネルギッシュでクールに踊る姿は男役並み。

カツラや髪型のセンスもよく、普通なら暗く重く見えてしまう黒髪も似合いました。

しゃべらせれば面白い。書かせても面白い。見た目は麗しい娘役さんなのに、さばさばと凛としていて気持ちいい。
普段のファッションセンスも宝塚の娘役っぽくはなく、そこも陽月 華の素敵な個性。

オンもオフも魅力的なお姫様、陽月 華。


大和悠河&陽月 華

劇画から出てきたような美しいコンビ。二人が立っていればシャッターチャンスは限りないでしょう。

しかし、そんな恵まれたビジュアル面だけで、ここまで来れたわけではありません。
そこには強い責任感と、人一倍の努力が生んだ実力があったから。

新しい時代のトップと称された二人。
まだあと1年、2年とトップでいてくれると思っていたので、この早い退団に驚き、残念でたまりません。

尚、次期宙組トップコンビは、宙組の大空祐飛さんと野々すみ花さんです。


最後まで輝いた王子様とお姫様。
誰にも似ていない、“大和悠河”と“陽月 華”で走り続けた二人を、私たちは忘れません。

たに、うめ……
お疲れ様。そしてありがとう。



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