大所帯の劇団、あれだけの豪華絢爛な舞台ですから、制作費もかなりのもの。
外部のミュージカルなど、同じ作品をロングランで上演し続けるのが多い中、宝塚が毎年数多くの新作を打ち出すわけは――今の○組の生徒の魅力を、お客様に楽しんでいただくため――と言えるでしょう。
しかし、すべてが新作ではありません。過去に上演された作品、“再演物”も上演します。
では、どのような作品が再演されるのでしょうか。
それは――
「多くの観客を動員し話題となった作品」
「時代を経ても色あせず作品自体が魅力的なもの」
「今の○組の生徒にマッチする作品」
「演じる生徒が変わっても観たい作品、変わるからこそ観たくなる作品。」…
といったところでしょう。
何度も再演されている作品の王者と言えば、やはり「ベルサイユのばら」。
1974年の初演後、すべての組で何度も上演され、そのたびにリメイクされ、その組に合った様々なバージョンで上演され続けてきました。
今年は秋の星組全国ツアー公演と韓国公演、来年には星組でフェルゼンとマリー・アントワネット編、雪組でオスカル編を、それぞれ役替わりでの上演が決まっています。
「ベルサイユのばら」に続くのが、これも5組すべてで上演された「風と共に去りぬ」や「エリザベート―愛と死の輪舞―」。
他に「あかねさす紫の花」「うたかたの恋」「我が愛は山の彼方に」「ジャワの踊り子」あたり。
こうして見ると、原作のあるもの、史実を膨らませたもの、海外ミュージカル、一本立ての大作や話題性に富んだ作品が多いですね。
ショーでは「華麗なる千拍子」「ノバ・ボサ・ノバ」「サザンクロス・レビュー」あたりが何度も再演されています。
次ページでは、ここ5年の間に再演された作品をご紹介しましょう。