ですから、演出家なしで稽古を行なう日も度々あります。
舞台稽古前になると、1本立ての場合なら1幕と2幕、2本立ての場合なら芝居とショーを通しての本通しを行ないます。
ここまで来ると、ほとんどはもう生徒に任された生徒のモノ。しかし演出家のダメ出しは、舞台稽古はもちろんのこと、初日が開いてからも続きます。
演出家とは――イメージを与え、それを生徒たちがどう演じるか、どう踊るか、どう歌うかを見守り、何度もやらせて感じさせ覚えさせ、時にはじっくり話し合い……。ひたすらダメ出しをし、または誉め……。
すべてを「こうあるべきだ!」と教え込むのではなく、生徒たちの力を引っ張り出し、良い方向に導いてくれる羅針盤のような存在と言えるでしょうね。
とにかく……根気のいる仕事。
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