【新人公演の衣装 その1】で、上級生の衣装を借りるまでの難しさをお話しましたが、今回は、実際に借りた時の「大変…」をお話しましょう。

衣装のどこかが破れている、ホックなどが取れかかっていると、それは演技の支障につながる場合があります。化粧などの汚れが衣装に付いていたりすると、舞台人として恥ずかしい。だから生徒さんは自分の衣装を大切にしています。

衣装を着たままで物を食べたりすることは本来ご法度。トイレに行ったりすることはまずありません。ズボンのラインが崩れるため、男役さんは座ることにも気を使います。

自分の衣装でもそうなら、新公で借りる衣装は本役さん(上級生)の衣装。借りる側の下級生たちがどれほど気を使うか……だいたいはおわかりと思います。中には、自分より下級生や同期生に衣装を借りる場合もあります。それでも、大切な衣装を借りるのですからね。

これは生徒だけではありません。衣装を制作し管理し生徒さんに着せ「完璧な状態で舞台に出す」ことが仕事である衣装部さんも、とても注意を払っています。

新公舞台稽古、新公本番で借りた衣装はまたすぐ、本役さんたちが本公演で着用します。その時に、衣装のどこかにナニかがあっては大変。それが原因で、本役さんが舞台に専念できなくなったら……? 

だから新公出演者たちは、借りた衣装を借りた時と同じ状態で返すことに気を使います。

そのために、衣装を返す前に、細部に至るまで点検をします。ホックやファスナーなどが壊れていないか、どこかに化粧などの汚れが付いていないか、ドレスやズボンの裾など糸のほつれ、たくさん付いている飾りの一つが取れていないかに至るまで。

どんなに注意を払って着ていても、舞台上で衣装が破れてしまう…なんていうことはたまにあります。点検した際、衣装のどこかに異常を見つけた場合、それは即座に衣装部さんに報告し、本役さんが着る本公演開演までに、衣装部さんに直していただきます。