衣装だけに限りません。カツラ、帽子、髪飾りなど被り物や小物、剣やカバン類など持ち道具も同じことです。劇団支給の物ではなく、自前のカツラや髪飾り、アクセサリーを貸して下さる本役さんもいます。その場合も、点検に点検を重ね、お返しします。

先ほど「借りた時と同じ状態」でとお話しましたが「借りた時すでに、ドレスの裾の糸がほつれかけていた…」なんていう時があります。本役さんは気づかないで着ていたということですね。そんな場合、自分が作ってしまった故障ではなくても、衣装部さんにお願いし、直していただきます。

前回「お直し」についてお話しましたが、借りる際にお直しした衣装の点検にも気を使います。お直しをして着た後、衣装部さんにお願いし、本役さんのサイズに戻してもらわないといけません。これを忘れると大変です。

お直しを実際するのは衣装部さんですが、お直しした箇所がちゃんと戻っているか、これはやはり自分で確認しなくてはなりません。

新公で衣装を借りてもうひとつ大切なこと。それは元あった場所に返すことです。その衣装は衣装部屋にあったのか、早替り部屋にあったのか、楽屋の化粧前(被り物など)にあったのか……。それを間違えてしまうと、本公演が始まった時に本役さんが慌ててしまいます。衣装がない!と。

さらに厄介(?)なのは、元あった場所に元あった状態で返すこと。

例えば……男役さんのスーツの衣装。上着とズボンと蝶ネクタイと、腰に巻くサッシュがあったとします。それらはすべて、ひとつのハンガーに掛けられていますが、それらがどの順番でどのように掛けられているか……これはその生徒さんそれぞれです。

蝶ネクタイひとつとっても、上着のポケットに突っ込んであったのか、ハンガーの首に掛けてあったのか、サッシュの上に重ねてあったのか……。これは生徒さんそれぞれのクセであり、自分が片付けやすい、または次に着やすいため。

どのような状態で衣装が置いてあったか。これをちゃんと覚えておいて、借りた後はその通りにして返す……。衣装の故障、お直しの点検と共に、これも気を使う点です。