宝塚のお稽古スカート
宝塚お稽古用スカート
稽古の時は動きやすいものに着替えます。まだ動きも少なく台本を持っての芝居の稽古などは私服のまま…という生徒さんもいますが、それではダンスは踊れません。振り付けの時や、振りが入っての稽古では必ず動きやすい格好に。
男役――Tシャツやトレーナーに、下はスウェットなどが主流。スウェットじゃなくても、とにかく踊りやすいパンツ系のもの。
娘役――レオタードに稽古用スカートが主流。寒い時期などはレオタードの上にトレーナーを着たりします。
娘役さんは稽古用スカートを何着も持っています。その時の役や衣装に合わせて、それに近いものを稽古でも着るからです。
スカートの種類
スカート丈で分けると……バレリーナが稽古で着るような膝ぐらいまでのもの、膝下ぐらいのもの、ハイヒールのつま先が隠れる長さのロングスカートの3種類。また、娘役にとって稽古用スカートは仕事着でもあるので、汚れた時の洗い替えのために、またレオタードの色やデザインに合わせるオシャレのためにも数枚持っているわけです。
こうしたスカート、バレエ用品や社交ダンス用品のお店でも売っていますが、少~し宝塚の娘役サンのイメージとは違うかな?
またウエストのサイズや丈も人それぞれ。だからファンの方や知人に作ってもらう場合が多いですね。
それでは、写真ではイマイチわかりづらい生地についてご紹介しましょう。この生地が、結構ポイントなのです。
宝塚お稽古用スカート……人気の生地やデザイン
生地はなるべく軽いものが使いやすいでしょう。見た目のかわいさからコットン地(20年ほど前まではこれが主流でした)。フリルも段で付けたりと華やか。弱点は、スカートさばきがあまり良くない。足にまとわりついてしまうし、ふわぁ~っと流れる感じが出ませんね。これはダンスの時より、芝居の稽古向きでしょう。
使いやすさで選ぶとすると、光沢のあるレオタードのような生地。シワにもならないので洗濯機でジャブジャブ洗えます。
そしてデザインですが、これは“何枚はぎ”ではなく“円形”のフレアースカート。
これならどんなに足を上げても破れたりしません。
(→はページ1のスカートです。)
“スカート”と言うと娘役のイメージですが、男役さんだって少しは持ってます。男役も舞台でドレスを着ることがありますから。特に下級生のうちはね。
こうして娘役さんは用途に合わせ、またオシャレのために何枚もスカートを持っているわけですが、退団する時はどうするのでしょうか? ほとんどの人が同期生や下級生にあげちゃいます。もう必要ないし。でも退団後も外の舞台に立つ人は、地味なものだけ手元に残しておいたり。
この黒のロングスカート、これは私のもの。「おばあちゃんになって社交ダンスでも習う時に使おう」と思いまして。ところが…履いてみたら…ウエストが…すでに……ぐるじいっ!
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